そして、オヤジはタバコ入りのビールを飲んで眠る(笑)

ホームで列に並べないダメ人間な方々の話を、こちらに書いたのだけど、夕べは、さらに駄目な奴に会った。たぶん50歳前後。顔と手のひらの日焼け具合からして、たぶん現場系の職人。冠婚葬祭がえりらしくスラックスのみ礼服で上はタイ無しワイシャツ。上野から乗って来て、運良く(笑)空いていた私の隣の座席に座った。この時点ではあまり酔って無かった風ではあったけど、ややグダグダ気味だった。

列車が走り出すと、持ってたボストンバックから500の缶ビールを取り出して、ぐーっと飲み出した。たぶん半分ぐらい一気に飲んだかな、そしたら大宮あたりで急激にグダグダ状態に。座席でフラフラしちゃうぐらいだから、本人もビールをこぼすと思ったか、缶を前席背もたれにあるバンドに差し込み、せもたれを倒して寝にはいった。
前にも経験があるけど、普段電車に乗り慣れて無い人って座席でうまく眠れない。椅子で寝る習慣がないかららしいが、たいがい眠たいけど寝れない子供がぐずるみたいに、落ち着き無く椅子でゴソゴソ動き始めてしまう(笑)

これ自体、私は慣れっこだし可哀想だとも思うから多少自分のスペースまでひじ張ったり、脚を投げ出されても放置黙認してる。今回も、このオヤジしょうがねーなって感じで片側により気味に座ってあげてCLIEでのメール返信書きをしてた。高崎近くになってなんか煙たいことに気がついた！なんと隣のオヤジがハイライト片手にプハーッと煙はいてやがる。

「ゴラァ！お前ここ禁煙車だぞ。なに堂々とフカシテンダぁ」ってことになるわけですよ。慌てたオヤジはタバコを床で消そうとするから、「床に捨てて良いわけねーだろっ！」再警告。完全パニクりオヤジは飲みかけのビールの缶に慌て吸い殻を投げ込んだ。

「しらなかったんらよ〜、勘弁をしれよ」としどろもどろなんで「隣の3号車行きゃ吸えるからさ、行けば？」と教えたが「わかったよ吸わないよ」と意味不明な返事しながら、そのおやじは、先ほど吸い殻を入れたビールの缶を手に取った。「おい、そのビール吸い殻捨てたから呑んじやダメだぜ」と優しく警告したのだけど「俺のビールだ、呑むのは勝手だろっ！」と言うなりグビーッと呑んでしまった(笑)

その後、軽井沢で私が降りるまでの10分ほどの時間、彼はじっと俯いたまま微動だにしなかったのだけど、軽井沢駅について私が座席をたった時に、うっすら目を開けて弱々しい声で言った。

「おらぁ、なにがなんでもビールだけは、やめないからよ〜」

こみあげる笑いをこらえながら、私はいつもどおり列車を降りた。