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2006.07.04

トランヴェール7月号

Ml_ts350482_1 トランヴェールはJR東日本区内の新幹線車内で配布されているフリーペーパー。座席のせもたれに差し込まれているアレ。ある意味新幹線通勤者には毎月必読の書だとおもう(笑)

今月の特集は『信州:夜の冒険』。

なんとも魅力的な響きのタイトルだ(笑) 特集の冒頭は軽井沢野鳥の森だ。ピッキオのスタッフによるガイドツアーが魅力的に語られているので。次の満月にでも行って見たくなった。しかし、私は満月の夜の森には特別な記憶がある。

小学生の頃、カブト虫やクワガタ捕りに良く夜の雑木林や森にはいった。月の無い夜はさすがに怖かったから、月が満ちた頃を見計らって行ったけれど満月の碧い月の明りに照らされた森は美しかった。

211011 当時は横浜にいたのだけど、鎌倉との市境だったから、そこここに深い森や林があった。夏のある夜、いつもの悪友たちといつもの森に虫捕りにはいった。その日もほぼ満月の月が東にのぼり、森は碧い月明りに照らされていた。くぬぎやドングリなどね木を巡って小一時間経った時、些細な違和感に気がついた。それは、かつて見たことのない赤い月がいつもとは違う森の切れ目からみえてたからだった。

あれ??…

悪友と顔を見合わせた。見回すといつもの所には、いつもの月が上がっていたのだ。 じゃ、あれなんだろ?アドバルーン?飛行機?雲に映る車のライト?いや、いずれとも違う見え方だった。しばし考えたあと、たぶん悪友も私も同じ答えが頭に浮かんだと思う。その瞬間、まるで申し合わせたように、その赤く光る物から、いくつかの銀色に輝く点が飛び出した。まるで生み落とすように~。

うわっ!と二人で叫ぶやいなや、とにかくともに森の出口に向かって全力疾走した。

D0268399 森を抜けて振り返ると、赤く光る物体は明らかに先ほどより大きくなっており、まわりに飛ぶ銀色に光る点が、楕円の皿状の金属体であるのが解った。二人とも森の出口に停めてあった自転車に飛び乗り、家へ向かう薄暗い裏道とは反対方向になる、明るい県道沿いの商店街へ向かって、後ろを振り返らずに一目散に自転車をこいだ。

数分で県道の脇のアーケードにたどり着つき、家路を急ぐ勤め帰りの人や、県道を走る車が見えた所で意を決して自転車をとめ振り返った。 あの赤い物体は、まだ見えていたけれど、さっきより遠のき始めている雰囲気で、まわりを飛ぶ銀色の金属体も、一つづつ吸い込まれるように消えていった。

そして銀色の奴がみんな消えたと思った次の瞬間、その赤い月も夜空に穴が開いて吸い込まれるように消えた・・・跡形もなく、音もなく。ただの月の明るい夜空をアーケードの切れ目から黙ったまま悪友と二人でしばし見入っていた。

以来、私は満月の晩には、月が二つ浮かんで無いか見回す癖がついた。

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