盛夏。

気付けば、お盆とともに夏は折り返し点を迎えた。町中には夏空を背景に花が勢い良く咲いている。

そして陽射しが程々の森の中でも、山野草の花たちが可憐に咲いている。

どの花たちも、短い夏の間に精一杯咲ききろうとしているかのよう。

高原の空は、うつりかわりが早い。

午前中は青空が広がっているのに、午後になると入道雲が水平線からどんどんと沸き立ってくる。

そして嵐のような夕立が降りだすが、わずか30分ほどで止んで、まだ雲の残るグレーの空には綺麗な虹が。

そんな夕立上がりに、ふと庭の栗の木を見上げると、いつの間にやら秋の味覚が実りの準備を着々と進めていた。この分なら、今年も森の恵みを分けていただけそうだ。

盆の迎え火を焚きながら雨上がりの西の空を見上げると、そこには折り返した夏から秋へ繋がるように見える、きれいな夕焼けが広がっていた。

夏の終わりまであとひと月たらず。

今週末の諏訪神社の花火が、例年通り高原の夏の送り火になるにちがいない。