夏の風景を巡る。

初夏はあっという間に梅雨になって、気がついたら梅雨が開けた。

麦の穂が町内でこれだけ空に向かって尖って居るのを見たのは初めてかもしれない。

暑い日差しが降り注ぐなか、春蝉の鳴き声がミンミンゼミの声に変わり、乾いたダムのコンクリートにこだまする。

15時を回る頃、浅間山から雲が湧いてきて、徐々に夕立の気配が強まってくる。

あっという間に大粒の雨が降り注いだあとは、再び雲が晴れて青空が顔を出した。

夕立の名残の雲をたなびかせた浅間山が、紅く夕焼けに染まるのは19時を回ったころだった。すっかり日が落ちたあと、旧宿場町へ。

宵の似合う町並みに少しだけ足を止めたあと家路へついた。