映画「風立ちぬ」を見た。
風立ちぬ、簡潔に言うなら良い映画。まぁ辛口の人には「愛染かつら」並みの戦前メロドラマの定番的と言われるかもしれないが、僕には、イタリア映画の、まるでベルナルドベルトルッチの作品のようにも思え、実写でもみたい気持ちになったし、すごく控えめな効果音でありながら劇中曲を必要最低限に抑えておいて、衣擦れの音までいれるリアリティをもって、場の静かさを演出する凝り様は、まるで小津作品のようでもあった。
パンフレットで、宮崎氏が書いている
「リアルに、幻想的に、時にマンガに、全体的には美しい映画を作ろう」
その言葉通りの映画になっていたと思う。
だから宮崎アニメの定番シーンもてんこ盛りだった。生きているように動くマシンの描写、紅の豚を彷彿とさせる飛行シーン、ナウシカで見せた風渡る草原のカット、千と千尋の幻想的な夢のシーン、ラピュタで印象に強く残った朽ちた兵器の哀しさや、未曾有のカタストロフの禍々しい映像と音など、すべて織り込まれていて、宮崎アニメファンの期待も裏切らない。
そして、夏の軽井沢はこの作品の大事なシークエンスとして登場し「この山はすべてを忘れさせてくれる魔の山」という名言まで紡ぎだす。
ネタバレになるので、これ以上ストーリーや軸となるテーマについては触れないが、とにかく、この映画は家の明るいリビングではなく暗い映画館で見て欲しい。そして暗闇の中で大の大人に心置きなく泣いてもらいたい(笑)
もちろん僕も同行したかみさんもハンカチを手に大泣きしたのは言うまでもない。
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