【カスタマイズ】オールロードの車高調整をする
オールロードのエアサスは、実は結構簡単なつくりになってます。最近のトアレグやNewA8のようなアクティブコントロールはありません。あくまで、車高調整のためにエアサスが追加されていると理解してください。ですから、車高センサーはありません。リアサスのコトロールアームの角度センサーで車高を相対的に感知してます(ちなみにトアレグやA8は、対置車高センサーがあります)。で、このセンサーはヘッドライトの角度調整やESPのコントロールもやってますから、車高を下げるとこの部分に影響がでます。
VAGの設定の本来の機能は、エアサスの初期値の調整です。オールロードの場合、各車輪の車軸とフェンダーのクリアランスの初期値が402mm(レベル2時)に決められています。しかし、実際には対地センサーがないので、実測して各ホイールの誤差を測って調整するしくみになってます。通常は、おそらくサスの交換とか大掛かりな作業を行った場合に以下のような使い方をするのでしょう。VAG-COMからリンクされていたaudiworldのサイトでも、車高を下げるときの限界が触れられていて、前が15mm、後ろが13mmとなってますがためしに20mm下げたら、ESPの警告灯がついてESPが正常動作しませんでした。(※これの和訳をセカンドウインドウさんが作ってくれました)
車高の設定変更の手順はこんな感じです。
①実際の車両の車軸とフェンダーの距離を測る。
②その数値を各入力画面に入力する
③ECUは入力値が402mmより高ければ、誤差を補正するために車高を下げ、低ければ車高を上げる。
④その値をストアし適性な標準車高に調整完了
つまり、車高を下げたいならば、個々の値を実測値より低くしたい高さ分、高い値で入力すればよいわけです。ちなみにうちは車高を変更する前に、巻尺を使って図りましたけれど、おおむね400-405mmの範囲に収まってました。英文とはいえ、わかりやすい内容でしたから、すべての値を10mm多めに入力して作業は完了。5分もかかりませんでした。
エンジン始動すると・・ESPの警告灯が点灯!!あわてて車を降りて確認するとなんだかリアの左側だけ車高が高い!巻尺で計測すると、左側前輪も10mmさがらず前のまま。でも右側は15mm以上下がっている(~_~;
早速、ディーラーに電話して事情を話すと即答で、レベルの取れたところでやってますか?という話。ESPのアラートが付いてるのは、車高が著しく前後左右で違っている場合ですよとのこと。あいてー、うちの駐車場右に傾いてるし左後輪部分は舗装が悪くちょっとほれてる。これが原因。傾いた状態から、前後左右の値を標準値としてストアしてしまったからでした。
早速、別途借りている自走式のタワーパーキングに車を移動。ここならレベルは取れてるはず。とにかく、402mmの標準値に戻さないといけない。巻尺で計りながら、作業を進めるのだけど、一回の補正では、おさまらない。結局左が上がってる分、右が下がっているわけで、あがってる方を標準値に戻すと、今度は反対側があがる。3回目でようやく誤差範囲(400-405)に収まりました。
最低設定(レベル1)では、あきらかにロールが減りダンパーが締まった印象をうけた。もちろん車高が落ちたから重心が下がったので、ロールは減る部分があるのだけど、それとは明らかに違う。早速またディーラーに電話して、工場長に相談。でもオールロードのエアサスは、ダンピングのコントロールは行ってないとのこと。さらにサスの構造の説明を聞いていくうちにその構成をおおむね理解。
オールロードのエアサスは通常のサスにエアサスを追加したつくりで、エアサスと通常サスのハイブリッドになっているということ。エアスプリングは通常のサス(かなり固め)の上にエアスプリングを追加して、エアスプリングの利点のプログレッシブ特性による微細振動の吸収を補完。だから車高を下げるとエアスプリング部分が抜けるので、本来の硬目のバネとダンパーのが顔を出してくるということらしい。
ちなみに、ROSS-TECHのキットは、ソフトをサイトから自由にダウンロードできますが、専用のキー付きのケーブルをべっと購入する必要があります。本国から直接買うことも可能ですが、送料がそこそこかかるので、私はセカンドウインドさんで購入しました。
最後にこれからチャレンジされる方のために、私のトライ&エラーの経験からの注意点を書いておきます。
①前後左右の平らなところを見つけるのが大事。
たいていの屋外駐車場は、水はけ勾配がきってあるので意外と傾いてます。サイドはずして動き出さない場所がベストです。屋根付き自走式タワーパーキングが無難です。わたしは、100円ショップで購入した水平水準器で確認してから作業に入りました。
②始める前に自らの車高を確認しておいてください。
このときに、一端レベル1に下げてからレベル2にあげてください。レベル2のままだと、微妙にエアサスの圧が抜けていて車高が不均等になってることがありますレベル2に成ったら、メジャーでフェンダーのアーチの一番高いところから車軸まで図ります。多少の誤差(2mm以下)は無視して大丈夫です。
③VAGで値を入れてる最中に、いきなり車高調整が動きだすことがあります。この場合、車高調整のインジケーターの点滅が終わって車高が落ち着くまで待ちます。途中でやるとSAVEエラーがおきました。
③あと、一番最後のCH05でのSAVEを忘れずに。これ忘れるとっキーをきった後にデータが残ってないため、車高が狂います。くれぐれもお忘れなく。
※ちなみにCOXの車高調整は、このやり方は異なっていて一番高いポジション(時速30Km以下のみ利用可能なLEVE4)をなくして、レベル2に当たるポジションがレベル3になって、それ以下が2つまで下がるようです。
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コメント
ta_tsuさん、レスありがとうございます。しかも速攻ですね。
車高3mm差の調整の件はta_tsuさんのご意見に従いちょっと様子を見てみます。
修正の方法、値の内数入力も了解しました。
エアーは2.3位に落としても大丈夫なんですね。早速試してみます。
たぶん、窒素は入っていないと思いますので、近いうちに真空引きで窒素入れてもらうようにします。
乗り心地や振動は全くの許容範囲内ですし、前車のA4 AV QSと比較するとフロントのピッチングは全く気にならない範囲です。
コメント、とっても参考になります。
ありがとうございました。
投稿: maro | 2004年12月13日 (月曜日) 19:17
maroさん、ご無沙汰してます。
まず車高長の件ですが、3mmは微妙ですね。
私のARQの場合、初期値(何もいじらない状態)でその程度のばらつきが存在してました。路面のアンジュレーションもありますし、タイヤの減りの誤差やセンサーの誤差の左右差でも生じる範囲とも思えるので、私なら放置しておきます。なにしろ対地距離で測定されてなくて、あくまでロワアームの角度で高さを調整しているので、3mmの差はほんの何分かの角度差だと思われるからです。
当面は、現状のままで走ってみて、その後、車高を再測定し格差が広がって5mm以上になっていたら、その時点で修正を行うほうがよいと思います。
修正ですが、ひとつだけ違っていても他のCHを規定値のままでTEST>SAVEしていくことをすすめます。私の場合、飛ばしてやるとエラーすることが何度かありました。これはVAG-COMのバグなのかもしれませんが、そうなると厄介で、勝手な値が入力されてしまうようで車高ががたがたになります。また修正値の入力ですが、異なっている値をそのまま入力せずに、その半分程度(5mmなら3mm)のうちわの値で、入力して再計測して確認することを勧めます。
次にタイヤの件ですけど、2.2の0.1kg増しとしてます。根拠はロードインデックスの値が5%程度の差だったからです。ちなみに窒素入れてます。窒素はあれこれ言われてますけれど、基本はタイヤ温度の上昇に対して空気圧の変化が非常に少ないので、タイヤのもちや高速での乗り心地は変わります。空気だと高速はしったら1割超圧があがりますからね。窒素だと0.1~0.2程度です。
あと、乗り心地ということでいうと、車高を下げると当然ですが、エアサスの空気部分が減りかつショックのストロークがすくなくなるので、こまかな振動が頭をだしてきます。
あわせてフロントの軸中が大き目なAudi車の場合、後軸がフロントより高めになると、ヨーイングの支点がボディ中央ではなく後軸に移ってしまうため、後輪を軸にしてフロントがフワフワする印象が強くなります。これはARQに限らずTTとかでも一緒でした。
投稿: ta_tsu | 2004年12月13日 (月曜日) 18:13
間違えてますね(汗)
>もし、1.の方法で処理する場合は01チャンネルの入力値は411
ここの411は「405」と読み替えてください。
投稿: maro | 2004年12月13日 (月曜日) 15:55
ta_tsuさん、ご無沙汰しています。
車高調の話題なので、便乗してちょっと教えてください。
先週末、やっとVAG-COMで車高の調整を行いフロントを12ミリ、リアーを8ミリ下げました。(^^)
誤差の範囲の可能性もあるのですが、設定変更後に実測したところフロントの左が右よりも3mm位高いようです。この場合の修正方法は、
1.01チャンネルのみ3mm多い値を再セットする。
あるいは、
2.login → adaptations画面 → Ch numberに00を入力してリセットしたのち、
にCh Number 01から04の全てを再入力(再セット)する。
上記のどちらで作業したら良いのでしょうか?
もし、1.の方法で処理する場合は01チャンネルの入力値は411で良いのでしょうか?また、testとsaveは01チャンネルだけ(02~04チャンネルは作業せず)で05チャンネルsaveをすればよいのでしょうか?
それから、2.の方法の場合は自動的に402mm(セットされる値も実測値も)になるのでしょうか?
さらに、もうひとつ質問です。
夏タイヤをta_tsuさんと全く同じサイズと銘柄のものに変更しました。ただし組んだホイールが8Jではなく8.5Jなので少しだけ引張り気味です。ロードインデックスの不足分を補うべくFR共にエアーは2.5Kgにしていますが。踏面が路面によってかなり硬質な印象を受けます。できれば少しエアーを下げたいのですが最大どのくらいまで下げても大丈夫でしょうか?
投稿: maro | 2004年12月13日 (月曜日) 15:48