【クルマ】A3SB3.2試乗(第2回)
A3-3.2DSGには、出てすぐの頃試乗したのだけれど、足回りのゴツゴツ感とアクセル感度があがりすぎのせわしないギクシャク感が気になって、少々残念な印象だった。雑誌の記事では、DSGもハルデックスも第2世代ということで先にデビューしているTT3.2-DSGより、かなり進歩しているという前評判だったのに。もっとも試乗したクルマはまだ100kmちょっとしか走ってない状態だったから、DSGやECUの学習も進んでいなかっただろうし、サスのあたりも出てなかったからだと、そのときは思って、このBLOGでも特に書くこともせずにいた。
今回は、ARQの後継機種選びということもあり、先週のA4-2.0TQやA3-2.0FFを踏まえたうえでの、最有力候補として再度試乗することにした。
今回の試乗車は豊橋ナンバーのAudiJapan持ちの試乗車。距離は1500km程度走っているので、相応にECUもDSGも学習しているだろうと思う。まずは、ディーラーの駐車場から私の運転で乗り出す。目の前の国道4号線は、流れがそこそこ速くて混んでいるので出るのは大変だ。DSGはATモードでは、かなりATのふりを上手にしてくれるのだけれど、停車した状態でのクリープはない。つまり完全停止したあとは、クラッチが切れているのでブレーキを離しても前には出ない。ドライバーがアクセルを踏み、クルマを前に出すという意思表示をECUに伝えたところで、初めて半クラッチを上手に行ってクルマは前進する。
しかし、これが結構わかりづらい。ATに普段乗ってるたいていの人は、スタートするとき踏んでいるブレーキを緩めてクリープで出たあとで、アクセルを踏んでいる。このニュアンスがDSGにはないから、そのつもりでアクセルを踏みに行くと、停止状態から踏んだ感じでガツンと出てしまう。というのも、やはりアクセル開度のレスポンスがちょっと強調されすぎだからだと感じた。オルガンタイプになって重めのアクセルになったことが裏目になっていると感じた。普通は重いアクセルはスロットルが重いわけで、当然走り出しがゆるくなるはず。しかしこのクルマはアクセルが重いのにスロットルが軽い、ちぐはぐな感じなのだ。
混んでいる4号線を折れて、いつもの試乗コースの県道に入る。細かなギャップやマンホールを意図的に踏んで、サスの印象を確認するのだけれど、やっぱり硬い。スプリングが強いのかストロークが短いのか。マンホールに乗ったときにうちのTTRよろしく、サスがボディを持ち上げるような動きをする。もちろん、ガツっとはこないけれど、ボディの端をだれかが持ち上げたみたいな、ヨイショって感じ。スポーツサスだから当然なんだろうが、このクルマにこのサスはいらないと思う。2.0FFのしなやかなサスで十分ではないだろうか。ブレーキは初期制動がどんと利くタイプ。ストロークコントロールがうまくできず、ちょっとだけ踏むのが難しい。停止するためのブレーキングではなく、速度を落とすためのブレーキングをするためには力加減ではなく、踏む時間を短く踏するしかないので、コントローラブルな感じはしない。
途中かみさんと交代するために、コース途中の公園の駐車場に立ち寄る。ここは、路線バスのロータリーがあるのだけれど、ぐるぐる回る少年少女たちを抑制するために、高さ2~3CMの凸加工が路面にされている。さらに、キャッツアイが3列で並べられていてサスの動きを見るのには、うってつけだ(笑)。ここを、割とゆっくりとした速度で左右の加重をずらしながら乗り越えてみた。やっぱり、さっき路上で感じたボディを持ち上げられるような硬さが顔を出してしまい、ゴトンゴトンと乗り越えてしまう。ここについては、A4-2.0TQが今回一番スムーズにこなしていた。A3-2.0FFは、ダンピングもゆるいために、やわらかく乗り越えられたもものの反動も残った。
かみさんがハンドルを握ってそこからスタート。やはりアクセルワークがなじめないようで、ギクシャクした感じでロータリーからでて県道に戻る。県道を走ってると信号で2度停止。ブレーキの抜重がうまくいかないので、止まる寸前かなりノーズダイブさせてしまう。500mぐらい走ったところで、交代したいとのこと。え?これだけでいいの?。これは後に本人から聞いたけれど、アクセルとブレーキがシビアすぎて緊張したあげく、足がかなり疲れちゃったらしい。
運転を変わって、ディーラーに戻る帰り道は、いつものバイパス。ここで3速全開をくれてみる。速い。ステアリングの切れと重さもちょうど良い。やはりこういう走り方をしたときはTT3.2とよく似てて好印象。さきほどの街のりでは扱いにくかったブレーキも、速度が高くなるとストローク少なくギューンとしまっていく感じで悪くない。音は、TTよりはジェントルだけれど、けっして静かではなく馬力相応にはうるさい。とはいえ2.0のようなゴロゴロした音ではなく、V6ならではのメカニカルなギュイーンって感じの音。
およそ30分超の試乗のあと感じたのは、A3-3.2DSGは、横浜に住んでいて1台にクルマを集約する必要にせまられ、ARQ+TTとあわせて入れ替えるという状況なら間違いなくこれを買っただろうということ。しかし、今の私にとっては、器用貧乏なクルマで「帯に短し襷に長し」という印象がぬぐえない。
試乗後、ARQ2.7Tの査定をしてもらったら400万とのこと。おととしの10月に520万で買ったアプルーブドだから良い値段だと思う。下取りだけ考えたら今が換え時には違いないのだけれど、今回NewA42.0TQやA3SBの2.0、3.2Qと乗った中で一番かみさんの印象が良かったのはA3ー2.0。馬力といいサスと言い彼女にはリニアで良かったのだ。正直私も同じ意見。A42.0TQの足回りは、従来より格段に良くなっていて好感触だったもののちょっと高すぎ。あの車格で600万弱にもなるのはいまいち合点がいかない。A3-2.0ならARQの下取りからおつりが出そうな金額なのだけれど、かみさん的にFFがNG。この冬、自宅前の雪道でスタックしているFF車(Vitzとか)を何度もみて彼女は4WDじゃないと普通に走れないって確信してしまったようだ。これってある意味、切実なところなのだから重要視しても仕方ない。
常々、AudiJapanのマーケに言いたいのだけれど、いつからクワトロはスポーツ車のみになってしまったのだろう?旧A3-1.8TQは、良いクルマだったが、S3と引き換えに日本には入ってこなくなった。ドライビングスキルが低いエンドユーザーだからこそ、ロードスタビリティの高いQuattroのメリットを一番うけるはず。スキルとキャリアがあれば、FRでもFFでもRRでも(笑)そこそこ、雪道を走ることができるのだけれど、ビギナーにはまず無理なのに。
かみさんも今回の試乗を通してARQのよさを再認識したようだ。ARQより乗りやすくなると感じたのはA3-2.0FFだけで、A4は、ほぼ同じなのに内装はやはりチープになるし、その割には高いのでNG。、A3-3.2DSGは、アクセルもブレーキもシビアで乗りにくく疲れるので嫌とのことだった。というわけで、結論としてARQは続投ということになった。
ここまで見積もりなどをもらっておきながら、結果として見送りという結論になったいきさつについては、正直にディーラーに伝えるつもりだ。あわせて、今回のARQ買い替え先送りのもうひとつの大きな理由として、先週、急遽決定したラシーンの後継機種として、2+2の4WDクーペ購入のことも伝えて営業主任にお詫びする予定m(__)m
というわけで、いろいろ試行錯誤しましたが、4月以降は、TTR、ARQ、2+2クーペのあいかわらずの3台体制ということになりそうです。とはいえ、6末デビューのA6アバントには、私は興味深々ではある。前兆が30cm長くなるのがつらいけれど、アダプティブエアサスはおおいに期待できそうなので、それでまた状況が変わるかもしれませんが(笑)
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コメント
大彦さん>
やはり同じ印象でしたか!
私は、ディーラーの担当者にマジで、2.0のサスつかないの?って聞きましたから(笑)。
投稿: ta_tsu | 2005年3月22日 (火曜日) 14:02
> 常々、AudiJapanのマーケに言いたいのだけれど、
> いつからクワトロはスポーツ車のみになってしまったのだろう?
ここのくだり、激しく同意するものがあります。僕もA3は2.0FFが最も
好印象でした。一番バランスがとれていて、普段使うならこれかなあ、
と思いました。本当、なんでローエンドのモデルにクワトロ入れない
んでしょうね。
投稿: daihiko | 2005年3月22日 (火曜日) 13:54
小さな子供とか赤ちゃん、妊婦はまずあの車には乗れないですね。スポーツ指向っていっても、あれは、ちょっと荒削りすぎです。
投稿: ta_tsu | 2005年3月22日 (火曜日) 11:26
とくに 小さい子供を乗せると お母さんは苦労するらしい(笑)
首がすわってないと 最悪らしい(爆)
投稿: た | 2005年3月22日 (火曜日) 11:07
ぐぁはははは・・・ 思った通りだな・・・・
だから あれ ダメなんだよねぇ~(笑)
投稿: た | 2005年3月22日 (火曜日) 10:14