【クルマ】NewS4試乗

先日、板金修理にだしていたARQを引き取りにいったおりNewS4の試乗車があったので早速試乗してきた。前モデルのS4は、アバントに試乗し、その足回りのしなやかさとトルクフルな加速に結構やられてしまった記憶が残っている。

とりあえず乗ってみると、新しいA4に準じて細かいところが結構モディファイされている。一番驚いたのがシート。S4はレカロのアルカンタラのカラードシートがある意味インテリアの特徴だったとおもうのだけれど、これは、レザーシートだ。サイドサポートは、前モデルにくらべて甘めで、平たい感じになっていた。あのシートが派手で目立つのでいやだって人が居るのも確かだったろうけれど、ここは賛否両論わかれるところじゃないだろうか。

逆に後席は、バックの部分がくぼんだ形で、サイドサポートが付いたので、ホールド感が増したうえに、前席とのクリアランスが増えた感じになってよくなったと思った。

エンジンをかけて走り出して最初の印象は、ステアリングが軽くてびっくり。A４2.0Tと同じじゃないかと思うぐらいに軽い。シートといい、このパワステの設定といい、かなり普通のクルマ風に仕立て直された感じ。アクセルを踏み込んで加速を始めるとエキゾーストの音が変わったことに気が付く。前モデルはV8とはいえ、ARQV8のアメ車っぽいドロドロした音ではなく、もう少し軽い音がしていたのだけれど、今回のはARQ4.2に近くなった印象を受けた。エキゾーストが、2本出しから4本出しに変わったからだろうか。

クルマの挙動は、ステアリングの軽さもあって軽くなった印象を受けた。あしまわりは、前モデル同様に軽快に動くのだけれど、セダンだから、ひょこひょこと動く腰高な挙動が気になったしロールも増えた感じがした。このあたりも、普通っぽい仕立てへの変更なのかもしれない。あわせてA3SB3.2DSGと同様の過剰なスロットル特性が気になった。飛び出し感を強くしたいのか、とにかくペダルストロークとスロットル開度がリニアに感じない。前モデルはもっと良かったのに。どうも最近のアウディのこの傾向のスロットルセッティングは好きになれないなぁ。

ブレーキは相変わらずガツンと効くブレーキ。ただ、これも初期制動がきつくてオーバーサーボな感じが否めず、微妙に速度を落としたり、前輪に加重を移すためにかけるブレーキングはまことにやりづらい。ディーラーにもどってきての車庫居れもやりづらかった。とくに段差や勾配がある場所だと、この可逆的なアクセルとブレーキのフィーリングは扱いづらさが目だった。うちのかみさんにも駐車場で少し乗せたけれど、方向転換でギクシャクしていて車酔いしそうだった(笑)

30分ちょっとの試乗で感じたのは、S4の方向性が変わってきたということ。たぶんRS4との棲み分けを明確にするためなんだろうが、スパルタンな部分を押さえて、エンドユーザー向けに味付けされた感じがした。とはいえ、このボディに344PSのパワー（９１１とほぼ一緒）は、本当にすごいけれど、前モデルのような意識が高揚するような楽しさは薄くなってしまったと感じた。

というわけで、もし自分がS4買うなら、04モデルのアバントを買うぞと思った次第(笑)