【クルマ】996C4S vs 997CS

996と997を並べて見比べることってなかなか難しい。しかも色も同じというのは稀有なこと。ところが、その稀有なことが、わずか1日だけだったけれど、996C4Sを引き取ったときにあった。996C4Sの元オーナーであるICHIO氏の９９７CSの引き取りにいった時。本来なら、その後某所で乗り比べ比較オフなんてのもやる予定だったのだけれど、某大手カー用品ショップのナビ取り付けの不測の作業ミスから997CSと９９６C4Sが並ぶことは2度となくなってしまった。幸いにも、このときにICHIO氏が数枚の写真を撮っており、その利用許可もいただいたので、この場で比較してみたい。

フロントまわりにおいては、997のほうがヘッドライトの位置がAピラーに寄ったおかげで、フロントバンパーサイドの絞込みが早く始まっていてバンパー全体のRがちいさくなって、バンパーの下方向への絞込みも球面的な処理になっているために、より丸みを帯びた印象だ。対する996は、サイドの平面部分が長くバンパー先端のRが大きめになっている。また、バンパーのサイドおよびフロントの下方向への絞込みは、台形的に処理されている。

そして、サイドビューから見比べてみたときに、全体の印象とは裏腹にBピラーからリアフェンダーへのラインがかなり違うのがわかる。

997のほうがややTTぽい平面的なリアフェンダー上部からテールへの丸みが強いのになのにくらべて、996は連続的な複雑なラインになっている。またドアパネルからリアフェンダーへのラインが光の映りこみを見るかぎり、緩やかに広がりつつつながっている996に対して、997は、左下の写真をみればわかるとおり、ホイールハウスのアーチを断面とした球面のホイールハウスと、そこまでわりと平面的に構成されているドアパネルに違いがわかる。これらは997が930系のデザインへのオマージュ的な処理を感じさせているのにたいして、996はFなどのラテン系の車にちかいボディラインだと思う。

このあたりリアビューとあわせてみても、996が平面をベジェ的な曲面で繋いで処理しているのにたいして、997は球面と平面をすっきりと組み合わせるデザイン処理になっているのが良くわかる感じだ。

このデザイントーンの違いは、フロント正面＆リア正面写真をみれば、より解りやすい。996のフロントが箱の角を落としたようなテイストなのに対して、997はなだらかな球体を面で切った幹事に処理されている。リアビューについて特徴的なのが、996のテールランプがホイールハウス上面から始まっているのに対して、997はホイールハウス後ろ側のみで完結している。リアバンパーにおいては、996がフロントバンパーに近い曲面を持っているのに比べると、997はフロントとは真逆に平面を合わせたような、スクエア処理になっているのは、空力的な配慮なのだろうか。

全体的な印象として、ひし形的にちょっとボディ下側を絞っている996に末広がりな997という感じ。あらためて見直してみて、あばたもえくぼではなく、自分的には996のほうが好みにあっていると思う次第。やっぱ2年後には、996C4Sカブさがすかなー。