【クルマ】マセラティ・グランスポーツに乗る
以前、クワトロポルテを試乗したアルファロメオ高前から、金曜日にDMが届き、週末にあのグランスポーツの試乗車がくるという。しかしそのDMを発見したのが土曜日の夜。かみさんが他のDMと一緒に玄関に放置していたたので、危うく見逃すところだった(^_^;
昼食後、久しぶりの晴天&ドライ路面の碓氷バイパスをカレラ4で駆けくだってアルファロメオ高前に出動した。
最近のアルファは159のデビューやブレラの発表など、いろいろとニュースが続いてることもあり、今日も若いカップルのお客さんで賑わっていた。おもに147と、パンダのお客さんらしい。あの年齢には、面白い車だからね。とはいいつつ、駐車場には綺麗に手入れされているF348が止まっていて、おそらくグランスポーツ目当てのお客に違いない。
担当のU氏が商談中なので、試乗の前にぐるぐると外を観て回った。グランスポーツを間近で見たのは始めてだったが、フロントのメッシュはクールでいい。TTRもこういうグリルにしたらカッコいいかもしれない。
サイドスカートがかなりの迫力。効果がありそう。カレラ4と比べて、全長は8cm長い4510mm、全幅は5mm狭い1295mm、ホイールベースは31cm長い2660mm。まさにFRとRRの違いが端的にでていると思う。ちなみに全高は1295mmで一緒だ。車重は乾燥1550kg、馬数は401馬力
後ろから見ると、リアバンパーのスカートもしっかりとしているのが解る。エクゾーストノートは、予想よりはるかにおとなしく太くオーボエやバスーンのように響くサウンド。おとなしいとは言わないけれど上品な音だ。クワトロポルテの方がフェラーリっぽい音なのは、音色よりも性能を優先したからか。
ホイールは19インチ。BBS風のパターンだけれど、オフセットがかなり深いのがわかる。フロント8J、リア9.5Jでタイヤサイズは、フロント235/35、リア265/30。フロントブレーキはクーペと一緒で、330mm×32mmのブレンボ4ポッド。401PSにしては少々小ぶりな印象だ。
クルマに乗り込んで最初に目に入るメーターパネルは、マセラティらしい小ぶりでオーソドックスなものだ。メーターの文字盤は、ちょっとクラシカルな時計を思わせるけれど、これってランチアのイプシロンと似てるかも??
センターコンソールは通常のクーペとほぼ同じ。ただし、通常のクーペは、レザーになっている部分が、新素材(航空機用のテクニカルクロス)で覆われている。この素材、Aピラーをふくめた天井やシートにも使われており、革よりも体にフィットする感触と滑らない感じが好感がもてた。独特な風合いも高級なソファを思わせる質感で上品だ。
U氏が隣に乗り込み、エンジンをかける。ブレーキを踏みながらスターターボタンを長押しするとブルブルっと震えるようにV8.4.3Lのエンジンが目を覚ました。ギアを1速いれて走り出す。低速トルクが太いというのが第一印象。ディーラーの駐車場から出るときの段差は、ゴツゴツせずに通過。マセラティ自慢のスカイフックサスペンションは、なかなか良い感じだ。
試乗コースは、前回のクワトロポルテと同じく、関越+北関東自動車道だ。関越前橋ICまでは、流れが悪いので、カンピオコルサのオートマモードで走る。前回のクワトロポルテに比べると低速トルクがあるので、クワトロポルテよりギクシャクした。いつも思うけれど、もっと早め早めにシフトアップしたら、ギクシャク感はかなり改善されると思う。オートモードで選ばれてるギアからパドルで1速あげると走りやすいからだ。
高速の合流で401PSの本領は発揮された。低く太いエクゾーストノートはV8のにおいをかすかにさせながらも、音色とタコメーターの針がシンクロしないと感じさせるぐらいおとなしい。SPORTモードにしたから、シフトアップはかなりすばやい。タコメーターを観ずに音の按配だけで、シフトアップしていったら、5000~6500当たりを常用してることに気がついた。あまりにスムーズに回るから、とてもそんな高回転を使ってる感じがしなかったのだ。
なので途中で6速に入れて、ノンスナッチで加速してみた。予想としては、ストール気味でシフトダウンしたくなるんじゃないかと思っていたのだけれど、見事に裏切られて、ぐいぐいと加速していく。低速トルクは、かなり太め。これなら高速で、とりあえず6速入れてアクセル踏むだけという、ズボラ運転もOKだ。でもって瞬殺で追い越したい時だけ、そこから2速おとしてフルスロットルにしてやれば、ビューンというエンジンの音とともに401PSを実感させつつワープする。当たり前だけれど、カレラより一呼吸早く加速していく感じだった。
足回りについては、スポーツにしても、ゴツゴツせずにとても乗りやすい。ハンドリングはクイックだけれど、センターからの切りはじめがちょっと曖昧な感じがしたのと。コーナリング中の外乱にはやや弱い印象。同様に直進安定性についても、FRだから仕方ないけれど、それなりに握っておく必要があった。ICの導入路のきつめのターンでは、アクセルオンでオーバーステア気味に曲がり込むハイパワーFRらしい動きをみせた。
小ぶりな印象のブレーキは、高速を走った限りでは、必要十分だとは思ったけれど、強力とは思えなかった。うちのTTRと同じぐらいの効きで、一気に床まで踏んでもドスンと効く感じがしなかったので峠とかでは厳しいかもしれない。
試乗はおおむね30分ぐらいだったけれど、日常的に使えるラテンスポーツとしてのマセラティらしさを満喫できた。これで1338万という金額は、かなりお買い得だ。997カレラS煮比べ、よりパワーがあって魅力的なサウンドとエンジンフィールとインテリアがついているのに安い。
とはいえ、試乗後に帰宅するおり試乗コースと同じ前橋IC~藤岡JCまで走ったのだけれど、4WDのスタビリティは格段の違いだった。ヌルヌルと120km以下で走るスキー帰りのワンボックスやワゴンの間を、アメンボみたいにスイスイと走りぬけて、前橋から中軽井沢まで40分で付いてしまうのだから。
イタリアの至宝たるグランスポーツをもってしても、カレラ4Sの快楽から解放せされるのは難しいらしい(^_^;。
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コメント
イタ車のスリリングなところは、それを御することの喜びだとはおもうんです。弱オーバーな操縦性も、慣れてくれば、峠やサーキットでゼロドリフト気味に走れて面白いかもしれないし。でも、高速ではもう少し直進安定性があったほうが楽だとおもいました。あえて言うと、直進性だけとればTTーFFぐらいな感じなんですよね。
>イタリア人デザイナーによるドイツ車
まだ、実車をみてないからなんともいえないけれど、今後のアルファには期待してます。2月の頭には、今度は同じディーラーで、159のQ4の試乗ができるらしいので、楽しみにしてます。
投稿: ta_tsu | 2006年1月17日 (火曜日) 09:24
アラインメントだけではカバーしきれないでしょうね。イタリア人の車に対する考え方がドイツ人とまるで違うから。ドイツ車なら構造材は極力変形させず、リンク部分だけで力の方向を変えるのが理想だけど、イタリア車はシャシとボディ全体の変形も含めて微妙なバランスを取るのが美しいと考えているようだから。そのコンピュータ設計では不可能な危ういバランスを芸術と受け止められる人には最高の贈り物なんでしょうね。とは言え7桁以下のプライスタグの付いたイタリア車の多くは単に「いいかげん」に作られてスリリングなバランスを見せるだけだったりもしますが(笑)でも内装だけはイタリア人のセンスに脱帽ですね。間のスイスあたりで、イタリア人デザイナーによるドイツ車でも作らないのかな。
投稿: ICHIO | 2006年1月17日 (火曜日) 07:30
V8は、バンク角や爆発タイミングによってだいぶテイストが変わるんで各種各様って感じです。AudiのS4やS6に積んでる奴は、トルクフルだけど、マセは、基本Fと一緒だから、トルクフルな側面より滑らかに吹き上がる方向に振られてる感じです。
本当に軽~く6000回転回ってるんですよ。回してるって意識なしで。このあたりはPとはまるっきり違いますね。文中で書いてる通りクワトロポルテの方が、吹けの軽さ、スムーズさは上回ってました。でも、グランスポーツは2000回転からぐいぐい加速するトルクの太さに圧倒されますね。高速の合流とか7500回転までよどみなく加速して400psを実感させられます。
Pに勝らないと感じるのは、スタビリティとブレーキ、シャシ剛性のバランスでしょうか。私的な好みもあるけど、私にはちょっとスリリングすぎな感じでした。あれで峠走るのは、相応の度胸とテクニックが求められるでしょうし。アライメントを、もうちょっと直進性重視にしたら違うかもしれませんけど。
投稿: ta_tsu | 2006年1月17日 (火曜日) 01:35
ヨダレたらしながら熟読しちゃいました。
ボクもTMSの頃から気になって一度乗ってみたいなぁ~と思ってました。
でもやっぱりPの方がいいんですね~
V8ってどんな感じなんでしょう??6気筒以上のクルマを運転した事がない~
投稿: KAZUMARU | 2006年1月16日 (月曜日) 23:48
まあ、迷ってたそのお客のために、試乗車呼んだって所だと思います(笑)。たぶん、買ったのはボクが試乗で出てくときに帰ったF348のオジさんじゃないかと。クワトロポルテにも乗ってたし。
ちなみに私も見積もりはしっかりもらって帰ってきました。
投稿: ta_tsu | 2006年1月16日 (月曜日) 15:50
>ちなみに、この週末の試乗会で1名の方がご契約だそうで
ううっなんと羨ましい!!(笑)。
投稿: mouton | 2006年1月16日 (月曜日) 15:44
>都内で隣りを走っていても気が付かない
いや、ほんとそうですよね。
「それが、いいとおっしゃるお客様がほとんどなんですよー。Fだと1km先まで居場所がわかるような存在感が嫌だって(笑)」って営業のU氏も言ってました。
実際、この車でも高速で、ほとんどの車がよけてくれません(笑)。996だと1発パッシングすれば、よほど後ろを見てない人でなければ、すぐよけてくれるんですけどね。
ちなみに、この週末の試乗会で1名の方がご契約だそうで。納車は在庫にあるタイプのインテリアだったらしく2週間だそうです。もちろん、エクスクルーシブできるので、自分風にすると半年だそうです。
投稿: ta_tsu | 2006年1月16日 (月曜日) 15:32
以前と比べてサイドスカートが外見上のアイポイントですね。機能的な効果もさておきながら、見た目にも迫力が増してgoodです。以前はちょいと地味でしたからね。都内で隣りを走っていても気が付かないくらい(笑)。
投稿: mouton | 2006年1月16日 (月曜日) 10:48