【クルマ】レクサスISに試乗してみた②
エンジンスタートは、メーター左横のスターターボタンを押すもの。キーはいまどきのインテリジェントキーだから、キーホールに差し込む必要ななく、持っていれば良い。
スタートすると、メーターに灯が入り、Defiのメーター同様に針が動く。白い透過式のメーターは、左が速度計で右がタコメーター。各々、任意の速度、回転数で2段階にアラート設定でき、各設定値を越えるとオレンジ→レッドと文字盤の内周上が点灯するという凝ったつくりだ。試乗時に光ったけれど見やすかった。
ステアリングは、ちょうど良い太さで革の質感ともあわせて握りやすかった。パドルとの位置関係も悪くないのだがレクサスマークがでかくて安っぽい。
超大型のドアミラー。セールススタッフ氏にいよれば、空気抵抗を極力さげているため、この大きさでもほとんど風切り音がないらしい。
鏡は端に行くほど曲率が上がるタイプで、視野はかなり広いが、距離感は解りづらく、この大きさともあわせて、なんだかミニバンやワンボックスのミラーみたいな印象でかっこ悪い(笑)。
こんな部分の実用性を高くするクルマじゃないと思う。多少見づらくてもかっこよくなきゃだめだと思うのだけど;;;
ファブリックのシートは相変わらずのトヨタ的な生地の模様がちと痛いけれど、すわり心地は固めでしっかりしており、深めの座面とあいまってトヨタぽくなくていい。着座位置がもうちょっと下がるほうがクルマの雰囲気にあっていると思うが、これもミラー同様に扱いやすさを優先してるのだろうか。
シートポジションとミラーを合わせて、走り出す。250はV62.5L(215PS)のエンジンを積むモデルだけれど、なんのストレスもなくスルスルと加速する。音はかなり静か。アイドリング時はほとんど聞き取れない。4000回転以上をまわすとシュイーンという洗練されたメカニカル音が聞こえてくる程度。足回りは、ゴツゴツせずフワフワせずのちょうどいい感じ。車重がさほど重くないことやホイールベースを考えると、かなりよく調整されているといえる。パフォーマンスダンパーのおかげか。
意図的にマンホールを連続して乗ったりしたけれど、ダンパーは程よく締められていて、突き上げもないし揺り返しもなかった。ロールも多くないし、ロール加速度も抑えられていた。秀逸なのは、ATのセッティングで、ほとんど無駄なスリップは感じさせない。このあたりさすがアイシン製だ。
でも、最大の欠点として、パドル操作がDレンジで介入できないこと。いまどきSレンジに入れないとパドルが有効にならないなんて;;;一昔前のTipっぽい。ハイテク売りのクルマだけに、このソフトウエアはつらいので早急に得意のカイゼンを求めたいね。
ステアリングについては、電動パワステのチューニングは秀逸。重すぎず軽すぎず。コーナリング中のステアリングインフォメーションもある。今までのった電動パワステでは一番素直だと感じた。もちろん嗜好の部分が強いから、私にはしっくり来たということだけれども。
次にIS350(VersionS)に乗った。馬数は一気に100頭以上増えて318PS!
こちらも内装は、アイボリーのツートンだけれど、アルカンタラ風のバックスキン風のシートが付いていた。アルカンタラより若干毛足が眺めできめが細かめ。
スポーツサスの硬さは、走り出してすぐにわかった。コツコツという突き上げはないものの、ゴロゴロした当たりが気になる。そのためロードノイズも大目だ。250との馬力の差は市街地走行では、ほとんど解らないので、長い直線でSモードでフル加速をしてみたら、さすがに速い。ただ、すべるような速さなので気分の高揚は低い。ある意味Audi的な加速感(笑)。
250との違いは、4000回転からの速度の伸びだ。ブレーキは基本カックンブレーキなんだけれど、奥まで踏み込んだ時の剛性感は高いし、裏切りもなかった。奥まで踏み込むほどに効きは増した。ただ、今回の市街地ぐるっと走る試乗コースでは、耐フェード性みたいなものはわからなかった。ただ経験的に、初期制動が低温からガッツり噛むあの感じは、ローター温度が上がってくると、徐々に甘くなる気がする。
2台あわせて30分ちょっとの試乗を終えた後、見積りを作っていただくことにした。見積りはカーコンフィグレーターを見ながら、対面式で進められた。見積り作るうえで、まず感じたのがカラーバリエーションが少ないこと。外装色が5色。内装色が3色しかない。とくに外装色はどれも彩度の低い渋い色ばかり。いわゆるオヤジ色だけ(>_<)。内装色も黒とベージュとグレーだ。外装色による内装色の制限はないのが、わずかな救いだけど女性に対してはかなり厳しいと思う。
いろいろと細かく選んで出てきた見積りがこれ。値段的には、A3SB-3.2よりも高い。A4AV2.0Tよりも高い。もっとも、これらには値引きが本体価格の1割程度、ナビの料金は別なので値引きなしだったら、ISの方が安くなる。
ただ、正直に相対論ではなく車両の価格にたいしての価値という意味では、残念ながら、この金額は高い。内装の質感は、残念ながらA3には及ばないと思うからだ。
実際に乗ってみた感覚では、トヨタ製とかそんなことは考えずに、車そのものとして金額的に400万円台のクルマだと感じた。ボーラとかジェッタ、147、156あたりと同等。内装については、男性的なBMWとかの内装が好きな人には、高い評価を得るかもしれないけれど、それでもあのミニコンポ的センターコンソールはどうだろう?あそこに高価なウッドを使う必要なんかなく、デザインや質感だけ吟味すればいいとおもう。
同じレクサスでも、SCはそれなりに頑張ってるだけに、ISにももう少し上質感をプラスしてもらえればと思う。高級と上質の違いをトヨタは、まだつかめてないというのが率直な印象だ。日産はつかめてきてるだけに、この差は大きい。
見積りまで入れて1時間あまりレクサスにいたけれど、高崎に関して言えば、膝間づいてお茶をだすことはなく、普通にさわやかで丁寧な接客だった。で、レクサスの帰りに、12ヶ月点検の入庫の打ち合わせをすべくPC高崎前橋に立ち寄ったのだけれど、やっぱりこちらの方がまだ、温かみのあるデザインだと感じた。
帰り道ではこんな珍しいクルマにも遭遇。かなり遠くからでも解るオーラが出てました。年配の男性と若い女子の組み合わせ・・・娘かなーどうかな(笑)
のんびり走っていたので、ちょっと併走して眺めた後、前にでたら、少しだけ付いてきてくれました。うちがガヤルドだったらランデブーしてもらえたかなー、なんて馬鹿なことを思いつつ、前が開いたのでいつもの速度のワープ5へ加速し昼飯に遅れ気味の時間を取り戻しました。
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コメント
korodaiさん、佐久ミニミーの日程の件、了解です。来週はバタバタしているので、4月になったらメールしますね。
投稿: ta_tsu | 2006年3月19日 (日曜日) 23:13
まいどでございます。インプレ興味深く拝読させていただきました。
仕事でトヨタの子会社を担当していることを加味しなくても、企業的にはトヨタはすばらしいと思います。自動車だけで年間純利益1兆円を「荒稼ぎ」しているメーカーは他にないですよね~。ただ、レクサスに関して言えば、消費者への訴求点がいまいちインパクトに欠け、そのへんが自動車つくり始めて50年そこそこと100年前後のメーカーの大きな「差」ではないかと、最近アウディを乗って理解できるようになった気がしてます^^;
> そうそうボチボチ佐久ミニミーやりましょうか?
ええ、ぜひ!あったかくなってきましたしぃ。4月初旬までと中旬以降は国内におります。
投稿: korodai | 2006年3月19日 (日曜日) 18:54
>前が開いたのでいつもの速度のワープ5へ加速し昼飯に遅れ気味の時間を取り戻しました。
この文、すごいカッコイイ☆☆☆
投稿: いち馬力 | 2006年3月15日 (水曜日) 12:25
おやじどの>
トヨタの車としては、いままでで一番良くできてるなーってのが率直な感想でした。値段がもう少し妥当ならば、かってもいいかもしれないとさえ思いますから(笑)。ただ、レクサスとして標榜しているものとは違うのは確か。トヨタブランドで売ったほうがもっと売れるでしょう。
日産がインフィニティをどうやってくるのかが楽しみです。現状の日産車でも価格以上にがんばっているとは思いますから、これを価格相応にしてくるのはどうするのか。
>三河の人達が真の高級や上質を体得するにはまだまだ時間が必要
正直に思うのは、トヨタが京都発祥の車メーカーだったらよかったということです。三河文化は、基本、豪奢と派手だと思うので上質にはならないかと。
海外で評価される日本的上質感って、所謂、雅な上質感か茶の湯の枯れて上質なるもの。これを会得するのは、歴史的背景を踏まえても無理でしょう。
本田のほうが、まだ近いのではないかと思います
投稿: ta_tsu | 2006年3月14日 (火曜日) 17:43
ども、今回の力作レポートとても参考になりました(笑)
と言ってもta_tsuちゃんと同じく僕も今現在レクサスを買うとは思えませんが、試みには興味があるしある意味応援してるからです。三河の人達が真の高級や上質を体得するにはまだまだ時間が必要でしょうね。
投稿: おやじ | 2006年3月14日 (火曜日) 09:56