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2006年3月24日 (金曜日)

【メンテ】ディベーターバルブ再考

SANY0486 ディベーターバルブ(以下DV)交換は、AudiやVWのターボエンジンのチューンでは定番。そもそも、初期のBOSCH製の純正品の出来がイマイチで耐久性に乏しく、10000km程度で調子がわるくなったことから、その代替品が登場した。(左が純正品、右が社外品のHyperBoost)

しかし、その後純正品も地道な改修を重ねたことで、最近では、一部のショップなどで、交換する必要がないと断言するところも出てきた。

そもそもDVの役割とは、なにか?
セカンドウインドさんのサイトで丁寧に解説されているが、要するにタービンで加圧された吸気をアクセルオフでスロットルを閉じたときに高い圧力のかかった吸気の圧力を抜くバルブの役目を担う。圧力を大気解放するブローオフバルブなんかと役目は一緒だ。

bosch05 純正は、この写真を見ての通りベローズタイプ。赤いゴムの付いた平たいバルブが、圧力を逃がす下側のパイプ(黒い部分)に蓋をしている。アクセルオフをすると、この平たいバルブが持ち上がり、タービンからスロットルに送り込まれる吸気をエアクリーナーに逃がして減圧する。


これがウマく働かないと、アクセルオフのときに残圧が残ってエンブレが効くなったり、吹き返しがタービンに戻るバックタービンが起きてしまう。初期の純正品は、このバルブが開閉するときに均一に持ち上がらず傾いたりし、ちゃんと開閉できなかったりした。

bosch03 そこで対策されたのが、バルブのパイプ側の面にまっすぐ持ち上がるようなガイド用の爪を付けること。私が知る限りでは、最初は、2本の爪がつけられていて、次にこの写真のとおり3本になった。DVのパーツナンバーには、改良の軌跡をあらわすアルファベットが追加されているのだけれど、この3本爪は『E』。最初が無印だったことを考えるとすでに5~6世代目ということになる。


bosch01そして、この写真の最終型といわれる『P』は、ガイドが4本爪になっている。これによって、バルブが斜めに開閉して圧が不自然に漏れるというトラブルはほぼ払拭されたといえるだろう。ただ、爪が4本になって、流入抵抗は増えてるのが気になるところだ。


またこの『P』は、このバルブを押し付けているスプリング『E』くらべかなり固めになっていた。初期型は、このスプリングが弱かったために、アクセルオフからオンしたときブーストが逃げてしまって、レスポンスが悪かったのを改良したと考えられる。

hyp02 他方、社外品の代表でもあるHyperBoostDVは、純正のベローズ式ではなくピストンバルブ方式を用いている。これは、純正のパイプに蓋をするタイプと違い、穴に栓をする方式だ。この状態で閉じた状態だ。


ピストンバルブはこんな感じのコマで、写真右手の凸部分が穴に蓋をする。この方式のメリットはベローズタイプに比べて、大きな開口部を持つことができることと、穴にはまるコマの形で圧力をウマく受け流すことで、閉じるときの抵抗を最小限に抑えられること。

これは圧力を逃がすときには大穴を開いて一気に逃がし、閉じて圧力を戻すときには、流出抵抗をウマくいなしながらすばやく締められる。


hpb01下側からみるとこんな感じだ。ピストンバルブがきっちり穴をふさいでいるのが解る。

もちろん、この方式にもデメリットもある。ベローズ式に比べて稼動部分が多い為、その部分のメンテナンスが必要になること。ピストンがスムーズに動く為に定期的なメンテナンスによるグリスアップが必要だ。また、金属製のピストンなのでベローズに比べれば重く、開閉時のレスポンスが低下する可能性がある。

今回は実際に両者を付け替えて走り比べてみることにした。まずはHyperBoostをはずし、純正DV『P』に変えてみて、いつもの峠道を走ってみる。以前の純正品ようなシュルルルルといった中途半端に開いたときの圧の漏れる音はしなくなったけれど、明らかにアクセルレスポンスが悪い。特にアクセルオフのとき残圧が残る為、コーナーに入るときなどは、どうしてもブレーキを多めに踏まないといけなかった。シフトダウン、アクセルオフとオンを繰り返すワインディングでは、これは結構気になった。

次に社外品HyperBoostに付け替えて同じ峠を走る。明らかに、アクセルオフのときの回転落ちが速くコーナーへのアプローチが楽になった。またアクセルオフからすぐオンするときのレスポンスもいい。シフトダウンのときのレーシングもしやすかった。

この違いをクルマからはずした状態で確認してみた。

やり方は、いたって簡単。吸気側から息を吹き込み、手でバルブを押し上げ息の抜け方を実感する。バルブの持ち上げ量をそろえる為鉛筆を使ってガイドをつくり同じ高さだけバルブを持ち上げるようにした。

やってみると、両者で明らかに息の抜け方が違う。純正DVは、バルブの開く幅によって抜け方がリニアに大きくなっていくのだが、HyperBoostは、バルブがわずかに持ち上がった瞬間に、すべて圧力が抜ける感じだ。この差はかなり大きい。

というわけで、私の結論として純正DVは良くなったけれど、社外品の排気効率には劣るということ。アクセルオンオフが多用されるMTの場合には、社外品に交換されることをお勧めしたい。ただしAT系の場合は、その限りではない。

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コメント

たんたんさん、やはりそうなってましたか。
実はディーラーにも問い合わせたのですが、確かに見当たらないとのこと。ただ、いかんせん2.0Tの整備実績そのものが、まだほとんどなく(12ヶ月点検がきてない)ので詳細を調べてきますって話でした。

でも、よく考えれば泣き所がちゃんとカイゼンされてるわけで、それはそれでよかったのかと思います。

投稿: ta_tsu | 2006年4月 1日 (土曜日) 23:14

2.0TではDVが電子制御式になってしまったようです。いじる楽しみが1つ減りました。

投稿: たんたん | 2006年3月29日 (水曜日) 21:58

2.0Tでは見つけることができませんでした。
トラバさせて頂きました。

投稿: たんたん | 2006年3月25日 (土曜日) 20:06

掃除していないです。(汗)
しなければですね。

投稿: つ | 2006年3月25日 (土曜日) 11:54

た氏>
そうですね。ARQの2.7Tも変えてましたけれど、ブーストが高くないためかあんまり解らなかったです。

moutonさん>
HyperBoostも、あのときに比べると細かな改良が入ってます。一番はバネの巻数が増えて、バネレートが上がってます。あと、パイプのローレット加工とか。最近は、色んなところで扱っているので、昔みたいに並行輸入することはないかと。ちなみにSecondWindにも在庫があるんじゃないかな。

つ氏>
つ氏のATはMTみたいだから(笑)。エンブレ多用するしね。意味あると思いますよ。で、ちゃんと掃除してますか?

投稿: ta_tsu | 2006年3月25日 (土曜日) 03:29

うちはATですが
DVを変えたときアクセルのレスポンスが
格段によくなりました。

投稿: つ | 2006年3月25日 (土曜日) 00:44

かれこれ社外品のDVに交換してから4年が経過しました。その後も改良が進んだDVが出てるんですね。新型でも手に入れとこうかしら(笑)。共同購入の際はお知らせくださいまし♪

投稿: mouton | 2006年3月24日 (金曜日) 12:16

まぁ あとは AT or MT 以外に排気量やタ-ビン特性やトルクの出方(エンジン特性の方向性)にもよるよね

投稿: た | 2006年3月24日 (金曜日) 10:26

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» DVどこ? [tin2Park]
1.8TまではアクセルのつきがうんぬんということでDV(ディベーターバルブ)を交換するのが,ターボ乗りの間では常套手段であったが,2.0Tになってからそんな話聞いたことがないなぁと思って探してみました。 結果はどこにあるの?でした。 らしいものはターボチャージャー横にアクチュエータがついており,ターボの吸気側を制御しているようで,バイパス回路でエンジンヘッドカバー内に何やら逃がしているのは確認できました。 バイパス回路の写真 アクチュエータの写真 この写真の向こう側へロッドが伸びて... [続きを読む]

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