【クルマ】プリウスに乗り大いに落胆す
初代から第2代目にモデルチェンジし、さらにマイナーを経て、かなり内装がよくなったとネットでかかれていたのだけれど、これでよくなったってことは、最初はすごいことだったに違いない(笑)。
実際、マイナー前のクルマに乗っているmuroroくんがこのダッシュボードを見て、シボが入ってる!!って驚いてた。ちなみに、彼のご両親のクルマは、マイナー前だけれど、キーレスゴーがついてる最上位車種だ。
あまりに楕円でびっくりしたステアリング。そもそも楕円ステアリングってきり始めを軽くするためと、ひざうえのスペースを広くとるための施策だったはずだけど、このクルマはパワステついてるし、かなり着座位置の高いアップライトなポジションだから、必然性がない。
で、乗り込んでポジションをあわせてびっくり。このステアリングチルトはするが、前後の調整は出来ない。なのにステアリングがダッシュボードに近すぎるから、足の位置を合わせると、ステアリングが遠い。上下位置を一番下にして肩からの距離を短くしようとすると、太ももに当たってしまう。仕方なく、ステアリングをちょっとあげると、両手でステアリングをもてないから、体を半身にして右手だけ前に出すセルシオ乗りに;;;
ちなみに、私の体型だからではなく、かみさんでもまったく同じようにちぐはぐ。このポジションは誰だったら、両手をステアリングの頂点にクロスしておいて、肘がちょっと曲がるような正しいポジションをとれるのだろう?
反射式のセンターメーター。インジケーターは直接表示だが、ブルーで見える部分はダッシュボード側にあるプロジェクターからの投射。明るい昼間でも十分な輝度があり見やすいが、シトロエンC4みたいなデザインコンシャスな雰囲気は微塵も無い(笑)
ナビは、レクサスでもおなじみのインターフェイスで、画面の両側に日本語のスイッチが並ぶ。たぶん、作った人たちは日本語表記が親切でわかりやすいと思ってるだろうが、暗い車内ではあの文字の大きさは読み取りにくくどのボタンが何の機能なのかわからない。高齢者や老眼の人には、昼間でも読めないだろう。
文字ではなくイラストアイコンのほうが、はるかに視認性が高いのは、ユーザーインターフェイス学では周知の事実なんだけれど、なぜに日本語(しかも漢字入り)なのか理解に苦しむ。
プリウス自慢のエネルギーモニター。これが真実かどうかは別として、この画面を見ながら走るのが、このクルマの唯一の面白さ(キッパリ)。
ゲーム感覚で、バッテリーにどのぐらい充電できるかついつい競ってしまう(笑)。エンブレ時の回生効果意外では、エンジンで走ってるときにパーシャルスロットルを維持すると充電できるのがわかるが、こればっかり見ていて、前はお留守になりがちだ。
借りて3日間乗ってみて思うのは、このクルマが見かけ倒しだということ。エコだといいつつも、ガソリンはちゃんと使ってしまう。燃費は19km/L程度。土地柄のぼり坂が多いので、エンジン駆動はかなり頻繁で、このクルマのさして高くない回生率では、のぼり坂で使ったエネルギーの1割ぐらいしかくだりで回収できない。
走行フィーリングは、ゴルフカートなみ。よく曲がり、よく止まるけれど、一つ一つの動きの節度が甘い。つねに動作のお釣りが来る印象だ。ボディも軽量化のためというのはわかるが、遮音性がかなり低くロードノイズはKカーの商業バンなみだ。なかでも天井の薄さは驚きで雨が降ってくると、まるでタライをたたく雨漏りの音みたいににぎやかでKカー以下と感じた;;
CMや媒体広告でユニバーサルデザインとか歌ってたが、操作系は直感的に認識できるような統一感がなく煩雑。取り説を読まないとレバーの意味も動きも把握できず発進すらできないし、一度操作しても、レバーやスイッチの動作に一連性が無いためにアフォーダンスも低く、ユーザビリティは最低だ。仕事でこのクルマのユーザービリティの評価判定をしたならば、迷わずCとつけるだろう。
期待してただけに落胆は大きかったものの、案の定とも思ってしまうあたりがさびしい限り。このクルマを見て世界最高の利益を得ている理由が本当によくわかったし。こんなクルマを自慢げに送り出してしまうメーカーが日本のリーディングカンパニーだという時点で、とても悲しくなった。
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コメント
りんくさん、コメントありがとうございます。
クルマを運転するための本質的な装備にちゃんとお金をかけてほしいってのが、率直な気持ちです。座って疲れないシート、運転するポジションをちゃんと造れる調整機能。
こちゃこちゃしたリモコンとかそんなものいらないから。
投稿: ta_tsu | 2007年6月10日 (日曜日) 22:49
はじめまして。
1度だけプリウスに乗ったことがありますが、環境に優しくても、ユーザにはどうかな(?)と思わせる点が何点もありました。
色々ごちゃごちゃついたハンドルのボタン、バックのしづらさ、海外市場の声を取り入れた3ナンバーサイズ、などなど。
これらをユーザのために次期モデルで改善してもらいたいと思います。(ただ1800cc搭載の噂もあるのでその辺も購入希望予備軍のために検討して欲しいと思います。)
投稿: りんく | 2007年6月10日 (日曜日) 14:58
muroroくん>
漢字って結局アイコンなんだよね。読める人には文字の形で意味が伝わる。だからそういう意味ではでっかく『道』『音』って書いてあればわかるけど『電話』より絵文字の『☎』のほうがわかるね。英語表記にくらべてわかりやすいでしょ!っていうセールストークにまんまと騙されてるとおもうな。だってライトスイッチやハザードなんてアイコンだけど意味がわからなくなる人いないですからねー。
ICHIOさん>
あまりに連続投稿なので、あらしかとおもいました(笑)
>ナビの操作は停車して行なう
あの画面の両サイドのボタンってナビの機能だけじゃないんです。エアコンもあそこ。だから厄介。そもそもナビの機能はタッチパネルだし;;;
あれが見難いからステアリングにボタンつけて誤魔化してるってことに、夕べ気が付きました(笑)
>現行プリウスのバッテリーの交換費用ってお幾らなんでしょう
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現行プリウスNHW20型のバッテリ価格は12万8千円です。バッテリはエンジンと同様5年10万キロ保証(アメリカでは8年16万キロ保証 http://www.lexus.com/home/faqs/hybrid.html)ですが、クルマの寿命だけ持つように設計しているとトヨタの開発主査 井上さんがカーグラフィックに書いていました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011331940
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環境ビジネスはやっぱり儲かります。
投稿: ta_tsu | 2007年5月23日 (水曜日) 11:28
ちなみに、現行プリウスのバッテリーの交換費用ってお幾らなんでしょう?うちの会社では倉庫の中で大量のトヨタ製電動フォークリフトを使っています。だいたい定価が1台500万円くらいのを値引きしてもらって300万円くらいで買うのですが、8時間充電して6時間くらい稼働できる鉛電池で160万円くらいします。当然負荷容量も蓄電方式も違いますが、小型軽量化の為には相当コストアップになってるでしょうね・・・。
ちなみにトヨタ販売店から買う古河バッテリは160万円ですが、古河のタイ工場から現地で買う同じFBバッテリは新品で約70万円です。でもこれ持って来て使うと、フォークリフトの保証修理が受けられなくなります。さすが利益トップを誇るトヨタさんは、やる事が違います(爆)
投稿: ICHIO | 2007年5月23日 (水曜日) 09:52
ナビの操作は停車して行なうのがルールなので、老眼鏡を掛け直して確認します(爆)実際、前回代車でマークXが来た時には、僕もそうしてました(^_^;
投稿: ICHIO | 2007年5月23日 (水曜日) 08:43
現行プリウスに関しては、製造コストや開発期間の問題から、ユーザビリティが低いのは仕方が無いのも分かる気はしますよね。あのパッケージのままマイナーチェンジだけで10年熟成できれば、相当いいクルマに進化するでしょうが、それは日本のユーザー自身が許さないし、先進技術のデモ車としてのプリウスという立場上、メーカーとしても我慢できないだろうなぁ。
ポルシェ車の開発ストーリーを読んでいて、屋根に当たる雨の音をどう処理するかでは、屋根や内張りの素材や厚みを数十通り組み合わせて音質の最適化を図るそうです。『自動車メーカーとして、当社の全てのお客様が走る地域で雨を降らさないようにする技術が開発されていない現段階では、これが次善の策です』というコメントが洒落てます。車の『性能』をカタログスペックで比較している段階では、メーカーも評論家もまだまだお子様なんですよね。
投稿: ICHIO | 2007年5月23日 (水曜日) 08:39
うちの母は、止まっているときにしか操作できないので・・・。あっ、漢字だから操作できないのかもしれませんね。
今日レンターカーでヴィッツ乗っていますが、やはりナビのボタンはほとんどが漢字の表記でした。
投稿: muroro | 2007年5月23日 (水曜日) 08:37
muroroさん>
お母様は、あの文字運転しながら読み取れるのでしょうか?止まってるときに読み取って、場所を記憶して使われているだけなんだと思うんですよね。
投稿: ta_tsu | 2007年5月23日 (水曜日) 08:10
所詮TOYOTAですから・・・。
NAVIのボタンが日本語なのは、年寄りでもわかるようにだと思います。アイコンにしたら母が何のボタンかわからなくなってしまうと言っていました。
かえってわかりづらいですが。音声認識もかなり馬鹿ですよ。
投稿: muroro | 2007年5月23日 (水曜日) 08:04
さはわたさん>
市場調査重視だとすれば、調査設計に問題があるとおもいますね。ユーザービリティをやったとしても、実際に動的に運転させてる状態でしてなくて、静的に注視できる状態でやってるんでしょう。もしくは、昼間だけとか。
山しんさん>
Opaは、私は好きなデザインの車でした。何度か試乗する機会がありましたけれど、ドライビングポジションとシートはイマイチしたが、プリウスに比べると出来はよかったという印象があります。それは、たとえばアルテッツアやVitzでも同じ印象でした。プリウスはそれ以下なので驚いたしだいです。
燃費は、都内のような平坦でゴーストップが多いと他のガソリン車が悪くなる分、よく見えるとおもいますが、拙宅jの近所のようなゴーストップが少なくて、60kmあたりで定速で走る区間が長い土地だと、いつも乗ってるA3のような3.2Lのガソリン車でも12km程度の平均燃費は日常的に出ます。とくに省エネを意識しない妻の運転でもです。
Vitzやマーチクラスなら、普通に17kmとか18kmぐらいまでは出ます。という意味で、プリウスの19km~20kmはわずかな違いでしかないんですよね。
投稿: ta_tsu | 2007年5月23日 (水曜日) 07:58
mixiでは、お世話になっています。
そうですか、プリウスはそんなにガッカリですか。私もToyotaのOpaからTTに乗り換えた口ですから、なんとなくToyota車の雰囲気はわかります。でも、燃費すら大して良くない、というのは意外でした。私もある意味、期待していたので残念だなぁ。
投稿: 山しん | 2007年5月23日 (水曜日) 05:58
ボタンの日本語表記は、きっと市場調査などの結果なんでしょうね。おっしゃるとおりイラストの方が、結果的にわかりやすいのは周知の事実と思うのですが…。本当にユーザーのことを考えると言うことは、どういうことか、人のふり見て〜といったところでしょうか。
投稿: さわはたしょうたです | 2007年5月23日 (水曜日) 01:47
走るという機能だけならば、旧型よりよくなってます。でも、そういうことじゃなくて、人が使う道具としての完成度が低いのです。どんなに機械的性能がよくても、使いにくい道具はその機械的性能を引き出せないってことですね。
座った瞬間に、誰が運転することを前提につくってるのか、まったくわからなくなりました。人が道具に合わせるという発想が、いたるところに見え隠れするあたり、作り手の意識が低いということに尽きます。
投稿: ta_tsu | 2007年5月23日 (水曜日) 01:24
価格が旧型据え置きなのにバッテリーに金かかっているから、走りは良くないみたいですね。
国産車で雑誌の評判がいいのは、日産の後期型ZとかV36スカイラインの2.5、マツダスピードアクセラ、ホンダアコードユーロR、三菱アウトランダーあたりでしょうか。運転したことありませんけどね。トヨタのクルマは雑誌マガジンXでよくケチョンケチョンに言われますw。
投稿: ロカニョーシ(若者ポルシェ…) | 2007年5月23日 (水曜日) 00:33