【クルマ】TTの初代と2代目のデザインを考察する
初代TTロードスターは、サッカーボールのようにいくつかの面をつないで球体を生み出した。縦に引かれたグリッドやナンバーまわりとバンバーの水平方向に引かれたラインによってテールライトを含む8つの面をつないでいるように見える。
対する2代目は、トランクリッド、テールライト、ナンバーを2本のラインに集約してつないただために、トランク&テールライトの上半分とナンバー&バン パー下半分にすっぱりと二分された一般的な乗用車デザインテイストになった。くわえてリアバンパーとリアフェンダーが滑らかにつながってしまったことで左 右の張り出し感も消え、初代が持っていた幾何学的な面の組み合わせという個性は消えた。
あくまで私の推察だけれど、2代目のコンセプトは、おそらく今流行のシンプルモダンだったんじゃないかと思う(笑)。これはTTに限らず昨今のAudiデザイン全体に感じること。
従来はドローイングラインで面をつないで、全体のシルエットを生み出しつつデザインのリズムとアクセントもつけていく、という高度な手法だったのが、昨今は球や立方体のモックから、ナイフでラインやくぼみをえぐって行くと言う、いかにも汎用な手法を用いているのではないか。
このやり方は一般的だし多くのメーカーはこのやり方に違いなく、一定のデザインスキルがあれば誰にでもでき効率もいいだろう。でも反面、円を内側に向けて書くような手法であり、大胆なシルエットは生まれないしシルエットに密接に絡み合うディティールも生まれない。
好き嫌いの問題は別としてアウディのデザインが昨今凡庸なのは、ここにつきると思う。クリエイティブはその頭に立つ人間のスキルとクリエイティビティにかかるわけで、現状のクオリティを見る限り、デシウバ氏は前任者に比べて劣ると言わざる得ないと思う。
もちろん、2代目TTRには、製品として数々の改善があり、オーナーには悩ましいのも事実。とくに初代の泣き所だったトップ周りの改善点『走行中に開け閉めできる』『トップの内張りつき』『トノカバーなしでいいZ型収納トップ』『ボディ剛性アップしつつ軽量化』『重量バランスの改善』などなど。
機能を優先するか、デザインを優先するか、車好きには永遠の課題だと思う(笑)
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コメント
2代目はかっこいいけど普通のスポーツクーペになったからですね。それはデザイナーズマンションとライオンズマンションの差みたいな。その分、住みやすくなったし便利になったんですけどね。
初代は本当にバーゲンプライスだったとおもいます。TMSで出たときには誰もが倍以上の値段がつくとおもってましたから。
投稿: ta_tsu | 2007年6月28日 (木曜日) 14:48
2代目は、カッコイイと思うのですが・・どこかアピールに欠けるといいましょうか・・・
イマイチ踏み込めません。
価格は初代から比べて50万もUPしたのに驚きです。
今思うと、初代TTのFF390マソはお値頃価格だったと思います。
投稿: かずまる | 2007年6月28日 (木曜日) 14:14