【クルマ】アルファスパイダー3.2(Qtoronic)を再試乗する。
某日、某所にて某氏のご好意にあまえてアルファスパイダー3.2Qに再び乗る機会に恵まれた。以前、試乗した時には、雨の上に試乗ルートが混雑しており、屋根も開けられず、アクセルも踏めずで、クルマの素性を推し量るのには、まるで至らなかった。
幸い、この日はオープン日和のうす曇りだったので、屋根を開け放した。
路側帯に止められたスパイダーはアルファシルバーの外装飾にロッソ(赤)のレザーシート(しかもボルトローナのフラウレザーのオプション仕様)が驕られているが、以外にも大人しい印象で、傍を通り過ぎる人も、ほとんど一瞥もくれない(笑)
おそらく内装のロッソの色彩は、やや彩度が低い濃い色だから目を引くような派手さのない”大人しい”もとい”大人らしい”色だからかもしれない。
コクピットに 乗り込んで最初に気になるのは、前回同様やはりレッグスペースの窮屈さ。写真左を見てわかるとおり、左足をフットレストにおいたときに、つま先が見えないほどにステアリングしたのメンバーの位置が低い。
しかもブレーキのペダルの位置が高いので、アクセルからブレーキにかかとをつけたままつま先を移すときにこのメンバーにつま先が引っかかるのだ。靴のサイズは27.アディダスのトレーニングシューズだからソールが厚めではあるが、こういう状況になったのはこのクルマがはじめてだ。
私より足の大きな長身ドライバーとかだとさらに苦しいだろう。本国のドライバーは大丈夫なのだろうか?イタリアンスタイルのつま先の長いシェイプのシューズだとさらに気になると思うのだけれど。以前、左ハンドルのMTに乗ったときには、これが気になった記憶がないので、右ハンドルATならではの制約なのかもしれない。
また、シート高を一番低くしても、TTやZ4などのライバル車にくらべて座面が高めなのも気になる。座面が高いために、きちんとしたドライビングポジションを取るとフロントウインドウよりも頭が上に出てしまうのだ。なので風がおでこに直接あたってしまう。
おかげで転倒時の安全面でも不安は感じてしまうし、信号で停止線に止めると信号がフロントウインドウのトップにかかってしまう。椅子を後ろにけっこう下げて、腕が伸びきるようなセルシオポジションで乗れば頭はウインドウより下がるが、オープンカーでは恥ずかしい(笑)
もちろん 座面が高くていいこともある。ボディの見切りは必然的によくなる。ミラーも視野角が広くて見やすいので進路変更のときとか、覗き込まなくても大丈夫だ。
風の巻き込みは標準的。ドアが大きくてサイドウインドウがシートバックより後ろまで延びてるおかげで、肩口からの風はすくない。ロールバー後ろのトノカバーも効いてるので100km程度まではほとんど風は気にならない。とはいえ前述フロントからの風が頭にあたるのが気になってしまうのが残念だ。
都心から郊外に向けて海外線を移動する。片側2車線の道路は空いていて、制限速度+αで流れてるのだけれど、エンジン回転数が高いために、なんだか騒がしい。マニュアルモードに切り替えると、4速で走っててびっくり。6速は無理でも5速で走っていい速度のはず。パドルで5速にあげて走ってみる。別段ノッキングするわけでもなく、多少緩慢なだけ。だが50kmをきった瞬間にマニュアルモードにもかかわらず強制的に4速にシフトダウンされた(笑)。
それじゃってんで、赤信号で止まったあとマニュアルモードのまま1速からフルスロットルをくれてみた。
遅い・・・いや鈍いが正しいか。
テールが沈むやわらかめの足回りのセッティングもあるけれど、スロットルを踏み込んだあと一呼吸おいて加速が始めった印象。2t近いボディの重さもあるが、このまどろっこしさは、おそらく4WDのQシステムにも責任の一端があると思う。初代TTのクワトロモデルの初期型がそうであったように、アクセルオンオフでのバックトルクのギクシャク感を消すためにリアへのトルク配分にスレッシュホールドをつけてある印象をうけた。
都内から30分ほど走り、自分がクルマのお手軽テストドライブをするときに使う某所に。ここはシルバーストンみたいに真四角のコースにちょっとクランクが入ってるレイアウトだ。ここを左回り、右回り各2週した。
ロールは多くは無いけれど脚の動きは、おっとり。スプリングはやわらかめで、ショックで締めてる動き。ATの動きは、Sモードでもマニュアルモードでも、最近のAudiやレクサスのようなシャープさはなく、これまたやわらかくトルクを伝える感じだ。ブレーキは、踏み込む深さに効きが比例するタイプ。ただ剛性感が甘いので踏み始めの印象が悪い。パッドがローターにあたったのかどうかがイマイチ伝わってこないので、ちょっと慌てて深く踏み込みつんのめってしまう。
30分ほど試乗したあと、フォトロケーションたる場所へ移動。雑誌のグラビアチックなショットを(笑)。やっぱり、このクルマはこういうシチュエーションで魅せるクルマなんだろう。
いわゆるラテン系デートカー。
価格より高級に感じさせようとしてると思えば、挙動の緩慢さは納得がいく。座面が高いのもスカートの女性が乗り降りすることを考えると妥当だ。
ドアが重くて女性には開けにくいという声もあったけれど、デートカーのドアは本来男性が開けるものだから関係ないだろう。
プアマンズフェラーリならぬプアマンズマセラティというところだろうか。クルマに詳しくない女性ならば、十分にこのクルマで釣果をあげられるにちがいない(笑)
フォトロケーションからの帰り道は、夜風が冷たくなったこともあり屋根を締めて走った。フロントシートの後ろのスペースとあわせてトノカバーのスペースもトップの中に入れてしまうつくりのおかげで、トップを占めていても窮屈さや閉塞感がない。
遮音性もよくBOSEサウンドから流れるヘレンメリルのやわらかい歌声もにごることなく聞き取れるしパッセンジャーとの会話も不自由がない。
約束の場所に到着し、クルマからおりてキーを持ち主に戻したあと走りさるスパイダーの後姿を見送ったた時、700万弱でこの空間を手に入れられるのは間違いなくお買い得とは思うものの、自分には無縁な乗り物だと実感した次第。
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コメント
>妖艶さを感じなかったので
女性の感じるものと男性の感じるものは違うってのもあるけれど、個人差あるだろうね(笑)。
自分には赤のスパイダーは、むしろ若さを感じました。妖艶さと言う意味では、ブルーが一番手ごわい感じでよかったかな。
投稿: ta_tsu | 2007年7月19日 (木曜日) 08:03
いえいえ、矛盾してるとか言いたかったわけじゃなくて・・・・(汗)
私はあのシルバーは優等生すぎて妖艶さを感じなかったので違う色ならもっと色気を感じられたかなぁって思ったので。
私は黒赤好きですけど(^^)ゞ
投稿: いち馬力 | 2007年7月19日 (木曜日) 00:01
別に矛盾してないと思うけどなぁ。
文中でも、
>700万弱でこの空間を手に入れられるのは間違いなくお買い得
ってまとめてるとおりでしょ!実用性の有無とか、今回も論じてないし。でもあの時も自分が乗るとは言ってないし(笑)
>黒+赤内装
うーん、実車もディーラーで見たことあるけど
自分にはイマイチ。黒スーツに赤シャツだぜ!恥ずかしくない?
小僧のヨソユキっソフトスーツぽいよ(笑)
黒&赤はコントラストが効いてて派手にみえるだけだとおもうけど。自分は黒よりシルバーやブルーの方がお洒落だと思う。
スーツやドレスで言えばシルバーやブルーのシャークスキンやサテンを着こなすほうがお洒落です。もちろんアクセサリーを黒&赤とかでメリハリつければな◎ですな。
投稿: ta_tsu | 2007年7月17日 (火曜日) 19:10
>スパイダーいいっしょ。ほんとイタリア女優みたいな、傍らに居るだけでドキドキしちゃう艶っぽさ。走りだの実用性だの関係なし!
昨年10月ごろ私がスパイダーを見に行った時のブログへのta_tsuさんのコメントです(笑)
思うに、シルバーはやっぱりインパクトが弱い!!
今、銀が壊れた後の代車として黒+赤内装が投入されてますが、そっちのほうが全然艶っぽいですよ。赤もモチロンいいですけど。
投稿: いち馬力 | 2007年7月17日 (火曜日) 18:32
試乗はしてませんが、実車が発表されて見にいきました・・・・ お尻から見ると顔みたいで可愛くて好きです♪ 一緒に走ってみたいなぁ~^^
投稿: KOCAM | 2007年7月17日 (火曜日) 17:14
今の自分の価値観だと辛口になっちゃいますけど、5年前だったら絶賛してたかもしれないって思います(苦笑)
投稿: ta_tsu | 2007年7月15日 (日曜日) 23:02
わかりやすく纏めていただきスッキリしました(笑)
投稿: いち馬力 | 2007年7月15日 (日曜日) 13:09