【クルマ】DBSに出会った。

以前ヴァンテージ試乗したときのセールススタッフから一通のDMが、引越しでバタバタしている私の手元に届いた。荷物を運ぶ手を休めて、封を切ると「DBS特別内覧会」って書いてある。おおおおお！！TMSには不出展のアストンマーティンだから、ブランニューのモンスターDBSは、これが初のお目見え。しかもアジアで一番早くらしい。

某日、友人のpookey氏を連れ立ってアストンマーティン赤坂へ繰り出した。

色は、あのカジノロワイヤルでボンドが操っていたものと同じだが、細かなディティールはいろいろと変更をうけている。目立つのはフロント周りか。しかし、大きさを感じないのはプロポーションのよさか。

乗り出しで3500万を超えるというクルマのドライバーズシートにあっさりと座らせてくれる太っ腹具合はあいかわらず(笑)。

座った感触はフルバケットのシートの密着具合が悪くないし、ドライバーズビュー自体はヴァンテージと同じで、2m近い車幅を意識さえないのはさすがだ。とはいえロングノーズデザインながら低く抑えられたボンネットのおかげで、やはりDBSもドライバーからはロングノーズが見えず、むしろマッシブに張り出したフロントフェンダーのうねりに目を奪われた。

200マイルまで刻まれたスピードメーターは、アストン共通の意匠。個人的には、メーターの数字のフォントがイギリスぽくてかっこいい。

ドア周りのデザインやUIはヴァンテージと同じで斜め上方に開く。違いは、これ見よがしさがほとんどなくさりげなく使われているカーボンで機能的に差別化されている。

これまたアストンの作法にのっとって、フロントミッドシップに押し込まれたV12エンジン。白いインテークカバーがちょっと意外だったけれど、赤や緑より派手に感じる。ちなみに、たたいてみて気がついたが、ボンネットやフェンダーもカーボンだ。

このクルマにとって、V12エンジンだとかカーボンボディとかは、些細なディティールのひとつでしかないと思うのが、このボディカラー。写真ではとても伝えきれないが、なんとも微妙で深い色合い。ブラウンがわずかに入ってる。このあたりの上質感をみるにつけ、切れ味優先ではない大人の道具としてのハンティングナイフやバンブーのフライロッドを思い浮かべる。

このクルマに、汗臭い羽は似合わないのは既知の事実であり、期待を裏切らない流れるようにヒップアップされたダックテールはDB7GTS譲り。

ダックテールとあわせて200マイルカー相応のダウンフォースはフロアパネル下で稼ぐ。

このドライバーズシートに座れる50名はすでにほぼ満席。なんともうらやましい限り。