【クルマ】A4C初ドライブインプレッション:走行編
先週末の午後、納車されて初めてのドライブにでかけた。目的地は菅平。
軽井沢より一足先に満開になった紅葉を見るのと、かみさんに新しいクルマの癖と素性を伝えるため。 というのも彼女は免許取得してから5年目になるが、修理の代車としてプリウスに1週間のった以外でFF車に乗るのは初めて。それは本人の強い希望もあって愛車が常に4駆だったからだ。
なのでバックやカーブの切れ込みなどFFと4駆で明らかに軌跡が異なる点やこの車の機能などについて、まるで試乗する時のディーラー担当者宜しく後部座席にのって、実際に運転する彼女に説明しながら走る。しかし、この後席の開放感こそが4シーターカブリオレの醍醐味。2シーターはどうしても眼前にルーフとAピラーがあるために、ここまで開けた眺望は望めない。
同様にサイドを眺めても、視界は大きく開けていて、まるでクルーザーにのっているような気分。まさにゲストとして最高の眺望だ。4座カブリオレの仕様の制約から、リアシートの後ろにはウインドディフレクターがないので、トランクリッドからの風の巻き込みは60km程度が限界だと感じた。
しかし、これをして実用性がないとする気はまるで起きない。風の巻き込みの限界をこえない速度で走ってればいい(笑)。それぐらいにこの眺望はすばらしく、移動速度とか時間なんてもののプライオリティは問題外にさがると思う。風に吹かれる気持ちよさと、全天を見渡せる開放感はなにものにも代えがたい。
ステアリングフィールは、かみさんをして重すぎず軽すぎずちょうどいいらしい。ただしFFだから切り始めからクルマの向きが直線的に変わる感触に最初はなじめなかったみたいだったが、30kmほど走って挙動になれたとのこと。見ての通り小うるさい後席のインストラクターの教え通りに、ステアリングアングルもいい角度でコーナーに侵入していく(笑)
後席の居住性は必要にして十分。A4のセダンとの差は感じないし、先日試乗したS5の後席とくらべても大差ない印象だ。惜しむらくはセンターに肘掛がないことか。トランクスルー機能を持つので、リアシートのセンター部分に肘掛程度のスペースが着脱できるのだけれど、シート厚が薄いために肘掛けにはできなかったのだろう。4人乗りでも自分より細身の男性2人なら肘かけを倒す余裕があるだけに残念なので、そのうち工夫したいとおもう。
後席にのって感じる足まわりの印象はソフト。ガソリンが半分以下だったこともあるけれど、おおきなうねりのある路面を超えたときの終息に2サイクルかかる。1サイクル目の減衰率が大きいから気持ち悪くなることはないけれど、もうすこしスプリングとダンパーを固めていいかもしれない。ETAKを見るとカブリオレ用のサスペンションパーツに「スポーツタイプランニングギア」の設定があるので、取り寄せ可能か近々ディーラーに確認してもらおうと思う。
170PSの2.4L-CVTはスペックよりも力強くて、もたつく印象はない。写真のようにレバーを左に倒してMTモードにすればトルコンのもたつきのないCVTらしいダイレクトな加速感で坂道でもストレスは感じない。当初250PSのA3SB-3.2からの乗り換えで結構非力さにまいるかなーと心配したが、取り越し苦労に終わった。
菅平に到着したところでドライバー交代し、タイトな峠道を一気に駆け上がってみる。やわらかい足まわりを反映してロールは多めだが、前述したとおり減衰力不足ではないのでコーナーに対して巻き込むようなステアリング操作をしてロールを殺しながら、早目のターンインをし、フロントのグリップを失わないように丁寧にスロットルを開けると、スムーズにたちあがっていくのでストレスはない。
コーナリング時のボディ剛性については、4座の大きな開口部を持つバスタブボディだから、当然相応なスカットルシェイクはあるもののホイールベースの長さに救われてか緩やかな振動に終始。ねじれや振動をしなやかに逃がしている印象だ。
ギャップを踏んだときのきしみ音とかは、さすがに走行8000km未満ということもあり、どこからも聞こえてこない。ただし、03年初年度登録からおそらく一度も変えてないと思われるダンロップのSP9090タイヤはかなり硬化していて峠道を登り終えたときには、ゴムの焼けるにおいが臭かった(笑)。今回のドライブで一皮むけてすこしはましになったから、ひとつき後にスタッドレスに変えるまではこのまま乗り、来年の春になったらA3SBにはいて好感触だったヨコハマのDNA Earth-1に交換しようと思う。
調子よく登って10分ほどで峰の原高原に到着。
一休みした後、北軽井沢方面に向かって下る。
ブレーキは、これまた以外にもタッチよく踏み込む深さに応じて効くタイプ。いままでのA3SBの日本車ライクなちょっと踏むとガツンと効くブレーキとは対照的だ。かみさんも、ARQと似たこの踏み心地は本質的に好きなようで最初からうまくコントロールしていた。
北軽井沢に着いたのは15時過ぎ。さすがにこの時間をまわると気温は13度近くにさがり後席で風に吹かれるのは肌寒くなった。後席のかみさんを助手席にうつってもらい、トランクからウインドディフレクターを出して後席部分に取り付ける。
あいにく写真を撮り忘れてしまったのだけれど、この状態での風の巻き込みはほとんどない。これはいままで乗った事のあるどのオープンカーよりも少ない。ウインドディフレクターの高さがヘッドレストより高い位置にあることや、後席のサイドウインドウのおかげで横からの回り込みがないからだろう。これなら二人乗り前提ではあるけど真冬のドライブでもまったく苦にならないと思う。
北軽井沢からはいつもどおりの道で軽井沢へ。帰りに久しぶりに長倉カフェに立ちよりでスイーツとコーヒーを頂く。
上は、私がオーダーした洋梨のムース。下がかみさんがオーダーしたアプリコットとアーモンドのムース。このケーキ、長倉カフェらしい繊細な味で本当に美味しい。アーモンドの風味がほのかに香るけれど、アーモンドは中に入っていない。なんとムースをつくるミルクにクラッシュしたアーモンドを長時間浸し、アーモンドの旨みをミルクに移しているというまことに贅沢で手の込んだ逸品。アプリコットの控えめな甘さと酸味とのバランスがすばらしかった。また食べに行こう。
3時間ほどのドライブだったけれど、あらためてこのクルマの素性のよさと、この時代のアウディ車のつくりの良さに納得。以前、コズミックイエローのカブリオレを試乗したときに、オーナーのY氏が語った「通常のA4セダンやアバントとは違うA6的な上質感を十分に持ち合わせてるクルマ」という言葉にあらためて納得した。
内外装編につづく。
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コメント
確かに!スプラッシュマウンテンは水溜りにつっこむんでしたね~^^;
失礼しました~
投稿: クア太郎 | 2008年10月22日 (水曜日) 15:09
クア太郎さん>
スプラッシュマウンテンみたいに水溜りにつっこむのはちょっと;;;。ビッグサンダーマウンテンかな。
投稿: ta_tsu | 2008年10月22日 (水曜日) 14:46
>まるでクルーザーにのっているような気分
ワインディングを走ると『急流下り』の気分で、
急な下り坂は『スプラッシュマウンテン』な気分でしょうか~(笑)
見慣れた道が、アミューズメントパークになりそうですね~^^
投稿: クア太郎 | 2008年10月21日 (火曜日) 13:34
kuroさん>
900カブもいい車でしたねぇ。実は今回候補のひとつに考えてましたが、やっぱり乗ってみると古くてかみさんが日常的につかうのと高速で長距離移動をするときに、トラブルの問題も含め見送りました。デザインが好きなので最後まで悩んだんですけどね。
QUATTOMOさん>
気温によるとは思いますが70kmでもOKかなって感じです。最近のモデル(C70や120iカブや335カブ)にも試乗しましたがやっぱり同じ速度が限界でした。GTCを持ってる知人も同じと話していたので、ある意味、カブをつくる欧米人にとて「この速度で良し」という基準があるのかなと思ってます。文中で書いたとおり風を感じられないカブの意味はないですしね。
投稿: ta_tsu | 2008年10月21日 (火曜日) 07:39
A4カブでもリアシートだと60kmがいいところですか
でもあの開放感は捨てがたいですね。
ボクも4座オープン(306カブ)に乗ってた頃を思い出します(最近のはAピラーの傾斜がきつすぎてまるでダメですが)
kuroさん、バスタブ的な感じって何か分かる気がします。
2シーターと違い、後ろで空を見上げながらくつろげる余裕があるのが4座の持ち味な気がします(当時はシートベルトもしなくて良かったし)
投稿: quattomo | 2008年10月21日 (火曜日) 02:20
A3SBからA4カブでしたか。キレイな内外装&幌のカラーリングですね、なかなか。ウッドのステアや3連の吹き出しもアクセントになってて、やっぱりいいですね。
なぜか僕も出物をしばらくチェックしていて、レッドかアクアマリンがゴールドか、そのあたりがいいかなと妄想しておりました。
バスタブ的な4シーターの開放感、900のとき感じた感覚&ピッタリの表現だと思います。楽しんでください。
投稿: kuro | 2008年10月21日 (火曜日) 00:25