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2009年1月16日 (金曜日)

【クルマ】再会、そして長いお別れ。

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再会のきっかけは、某所でみかけたという友人のH氏からの一通のメールがだった。メールに添えられたURLをたどるとかつての恋人の元気そうな姿がそこにあった。

別れたのは、一昨年の秋だった。ともにすごした時間は、わずか1年半足らずだったけれど、北は知床半島、南は阿蘇やまなみハイウェイまでと南北にわたり、走行距離にして30000kmにおよぶ短くても濃いつきあいだった。

だから元気そうな写真を見たときに、再会したくなって仕事帰りに某所に立ち寄った。

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久しぶりに見るかつての愛車は、旅立ったときと同等以上の状態だった。実際、自分が手放したときからわずか100kmしか走ってないわけで、長野から東京都下に移送した距離だけだといっても過言ではないだろう。私が貼った某ヒストリックカーラリーのステッカーやJAFゴールド会員シールももそのままのこされていた。

さらに驚いたのは某所でいたずらされた左Cピラーの引っかき傷や飛び石で付いたフロントノーズの傷などが丁寧に修復されていたこと。前オーナーが、外装の古傷をほとんど修復したのだろう。

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久しぶりに重たいドアを開けて、座りなれたシートに座ると、カーナビ、オーディオ、センターコンソールのポルシェクレストステッカーも当時のまま。でも、ドアについていた私の前のオーナーのパートナーがドアの内張りのレザーにつけたネイルの引っかき傷もなくなっているのには驚いた。こんなところまで修復したのだ。

ショップの社長の好意で、販売店の近所をぐるっと試乗させていただけることに。

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キーオンから、短いクランキングでエンジンが目を覚ました。

聞きなれた懐かしい音。この音にアドレナリンが射出されて、臨戦態勢に入って、悪魔のようにワインディングやハイウェイを駆け回った記憶がよみがえってきた。重いというより渋い感じのクラッチを踏み切ってローに入れ、アイドリングのままクラッチをゆっくりつなげる。

3年間に初めてこのクルマを前オーナーから目黒のミツワで受け取ったときの記憶がよみがえった。HPKならではのハイカムとフライホイールの軽さからくる低速トルクの希薄さがにじみアイドリングのままつなぐとエンストしそうな感触(笑)

あの時は、たしかミツワの駐車場から目黒通りに出るときにいきなりエンストしたっけ。その後、FABSpeedのインテークキットを装着することで低速トルク不足は劇的に改善されたとおもったのだけれどそれは今、ノーマルに戻った状態に再試乗してあらためて実感した。996オーナーは、FABのインテークキットを絶対つけるべきだと思う。

走り出すとエンジンレスポンスの良さは相変わらずで、気持ちよく加速していく。足回りもタイトだけれども、ロードホールディングよく、しなやかにばたつかずギャップやマンホールを軽くいなしていく。下取りに出すときにわずかながら感じていたリアショックのへたりが、なぜか微塵も感じられないのは前オーナーが交換したのだろうか。

助手席のショップオーナーの顔色を伺いつつ少しづつ、ペースを上げ、少し広い道に出たところでHPKの本領が顔を出す5000回転超まで2速、3速で引っ張る。

気持ちよさは、2年前と変わってなかった。このまま、またこの快楽に身をゆだね、4速、5速とシフトアップして爆走モードに突入したい衝動を抑え、短い直線の先の赤信号で停まるためにブレーキを強めに踏みしめた。PCCBの効きもあのときのまま。路面に吸い寄せられるようにボディ全体が沈み込むようにして停止線の手前で停まった。この気持ちよさも相変わらずだった。

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試乗は10分ほどだったけれど、ショートシフトの節度の甘さや、3速がゴリゴリっと押し込まないと入らなかったりと、このクルマの癖を確かめて、ほんとうに懐かしい気持ちで一杯になった。それは、あたかも昔の恋人と偶然再会し、静かなバーで互いの近況を話しながら、彼女が髪をかき上げるしぐさや、笑うときに見せる小さなエクボを懐かしみつつ、一杯だけカクテルを呑んで別れた時の気持ちと同じだった。

だから、おそらく、もう2度と会うことはないだろう。

最後に、自分が手放したクルマの2年後の試乗インプレッションなんて稀有な機会のきっかけを与えてくくれた友人のH氏と、ふらりとやってきた冷やかし客に快く試乗をOKしていただいたショップオーナーに多謝。

P.S 内外装については前述したとおり自分が送り出したときよりも良くなっているにもかかわらず、走行距離がほとんど変わらず機関が好調なことを考えれば、売価が2年前の下取り金額より100万以上安くなっているのは大変お買い得だと思う。

そのショップには、自分が唯一欲しい跳ね馬の逸品(ナンバー付き!)が隠されていたことも追記しておきたい。

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コメント

初めまして。
HPKはフライホイールまで変わっているのですか?
ダブルマスからシングルマスですか?

インテークマニホールドとカムの変更、エキゾーストマニホールドが太くなっている程度しか情報が有りませんでした。

もし宜しければご教示下さい。

投稿: すぷら | 2015年7月27日 (月曜日) 11:07

あの界隈の人なら、裏道として通ったことあると思いますよ。自分も知ってました。

投稿: ta_tsu | 2009年1月19日 (月曜日) 14:15

もしかして・・・これ練馬方面(石神井行く途中)の
お店ですか??

なんか見覚えある外観のお店です・・・

投稿: かずまる | 2009年1月19日 (月曜日) 02:24

たさん>
デイトナの奥にちらって見える赤い車がディーノなんですよ。エンジンOH中途のことで馬かかってました。

きんどうさん>
自分も馬より牛のほうが好きかなー。牛は、見た目にくらべて走りはAudiゆずりの淡白なテイストだから意外と飽きないかも。

投稿: ta_tsu | 2009年1月16日 (金曜日) 12:56

こういうことってあるのですね。
しかも、売ったときより状態がよいなんて。

昔、MBXを手放したとき、さらにボロになっていた姿みたときは寂しい気持ちなったことを思い出しました。

個人的に牛に惹かれます。ま、どっちも買えませんけど。

投稿: きんどう | 2009年1月16日 (金曜日) 10:08

デイトナかぁ~ 餃子兄さんがディノ欲しがってたし・・・
中華兄弟的に跳ね馬は、欲しいのがちょっと古くてみんな違う(笑)
3男的には288GTOとまでは言わないけど、308のGTB(Sは要らない)の
スモールバンパーのイタリアンブルーにシルバーの純正色なやつだな
その昔コーンズで、大学生の時(何年前だ?:爆)に快く乗せてくれた奴に
一目惚れして以来~~

投稿: た | 2009年1月16日 (金曜日) 08:45

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お友達のDJkootanくんが、ネットで発見してくれました。年式、走行距離、内部のモディファイ痕跡などもふくめて



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