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2009年3月25日 (水曜日)

【メンテ】5号機足回りセッティングセッション三昧。

5号機が去年の4月初頭に拙宅に届いてから、約1年。昨年は、エンジン周りの細かいトラブル(電装系、燃料系)とキャブセッティングに明け暮れてシーズンオフになったので、足回りについては基本的に前オーナーが使っていたセッティングのままだった。

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その乗り味は、かなりセンシティブでツイスティ。低速コーナーではアンダーがつよめだけどブレイクすると全く粘らずスピン、逆に高速コーナーではオーバーステア気味で路面状態が悪いと薄氷を踏むような案配という一番厄介な状況だった。おかげで滑り出しの気配を掴むのはうまくなったけれど、やっぱりスポーツドライビングを楽しめるための道具とてし低速コーナーでは弱オーバー、高速コーナーでは弱アンダーのセッティングに持っていかなければ自分は楽しくないので、今シーズンは、ここからスタート。
そもそも、今の乗り味の神経質さの原因の一端はコンパウンドが硬化してしまってる5年以上前のSタイヤにあるのは自明のこと。なので、これをスポーツラジアルにチェンジすることに。ちょうど出たばかりの最新のAD08を入れようと思ったけれど残念ながら5号機のサイズは、まだリリースされてなくTTで履き慣れた前型のAD07をチョイス。

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Sタイヤを外して驚いたのは、その軽さ。すでに3分山とはいえ、持った感じは新品同サイズのネオバの半分ぐらいだった。もとから軽いということ以上に、タイヤそのものが古くなって乾燥してしまってたのだろう。タイヤ交換して最初の印象は、乗り心地がえらくよくなったこと(笑)
ネオバだって決して乗り心地のいいタイヤではないのに、草履からスニーカーに代えたぐらいのあたりの違いがある。フロントのステアリングのキックバックもかなり減ったし、リアのトラクションのかかり方が路面にたいして粘る感じで押し出しが強くなっただけでなく、コーナリング時に滑り出す前の予感を与えてくれるようになった。
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空気圧は、タイヤショップの勧めと主治医のS氏のアドバイスが一致した前後とも1.6kに設定。これで、タイヤショップの帰り道、パラダ界隈のショートワインディングを走ってみた。グリップがましたおかげで、フロントの食いつきによる回頭性はちょっとましになったし、コーナー侵入時にリアの過重が抜けた時のトリッキーな滑りだしは陰を潜めたけれど、タイヤグリップが増して粘るようになった反面、その限界を超えたあとの滑り出しの唐突感はより鮮明になった。
次に北軽井沢にあがる146号線を走ってみると、下りの高速コーナーでアクセルオフした時の嫌な汗がでるようなオーバーステアはほとんど感じられなくなっていた。多分にリアタイヤのグリップ不足で起きていたみたいだ。現況が認識できたところで最初の週末は終わり。続きは翌週へ。
翌週末は連休だったから金曜日から足回りのセッティングに。久々に早朝に起きて峠に向かった。足回りの調整は以前TTでやったとおり走りなれたワインディングでトライ&エラーしながらやるのが一番わかりやすい。

フレイザーの足回りは旧ミニやMGなどでおなじみのSPAXのGASショック+車高長が入っている。車高をいじると前後の重量配分を含めた迷宮に踊り込みそうだから、とりあえずは現状のままの車高で、ショックの減衰力だけでセッティングをだすことに。
ネットで調べてみるとついてるGASショックは12段階調整だとわかった。ショックの下端にマイナスネジがあり、これを右に回すと固くなり左にまわすと緩くなる。まずは、現状が何段目に設定されているかを確認。ネジのノッチを確認しながら前後左右を緩めていくとフロントが8、リアが10だった。かなり固い方に降ってあるのがわかる。
まずはアンダーがでていることは棚にあげて、リアの滑り出しの解りやすさからつめることに。12段階調整だから標準は6と勝手に決めて、リアショックを左右とも6にして走りだすと、タイヤ交換のときと同じぐらい乗り心地がよくなった(笑)。まずは、その状態で碓氷峠旧道を用心深く下る。

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パワーで力づくで曲げないように3速で軽いエンブレをきかせつつ、丁寧にクリップをトレースするラインを走り、リアの回り込みとフロントの切れを確かめる。やはり、ブレーキを引きづりながらターンインして意識的に後輪過重を抜いてもリアが唐突に滑り出すことはなくなった。途中でUターンして、今度は2速でのぼり始める。コーナーの立ち上がりではフルスロットルをくれて十分に後輪にパワーをかけてみる。ショックが柔らかくなったおかげで、路面のあれでも跳ねなくなり、いい感じでテールが沈むのを感じながら荒れた路面を蹴りだしていく。

リアの動きがよくなったために、フロントが突っ張る感じが明確になったので、峠を上りきったところで、今度はフロントショックを4にゆるめてみる。そして走ったのが、このムービー。

フロントタイヤの動きがよくわかる位置にカメラをつけたので、センターラインとタイヤの切れ角でアンダーが出てたりオーバーステアが出てたりしているのが解るが、以前の設定に比べて明らかにフロントの回頭性はよくなっているものの、それでも10R程度の小さな回り込むコーナーでは、クリップを一回でとらえられずにフェイントかけて切りこまないと回り込めてない。

リアの動きはおしなべてスムーズになって、走り出してすぐの左コーナーでテールスライドした時も、以前のような唐突で速い動きではなく緩やかな滑り出しだった。

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峠を下り終わってみて感じたのは、フロントの突っ張り感からくるリアの振り出しの鈍さ。これはフロントショックが固いためにブレーキングやアクセルオフで十分に前輪に加重が移せず、リアの振り出しがしにくくなっているにちがいない。

となれば、フロントを一気に最弱に設定して再び峠を上る。かなり良い案配。フロントのグリップも十分で、アクセルオフやブレーキングできちんとリアの抜重ができて小さくステアリングを切るだけで、きれいに頭がはいって行く。

車重が軽いから、フロントショックを最弱にしてもピッチングも出ないし、荒れた路面でのキックバックも一気に減少したしネガティブな要素は皆無。フロントがうまく回り込めるようになったら、リアの揺り返しが気になったので上りきったところで、再びリアショックを調整。堅さを二つ増やして8に修正したうえで、再び下る。

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その映像も録画したはずだったんだけれど、無念の電池切れ。正直、このセッティングでは、フロントを軸に小さく回り込めるようになり、リアのグリップも十分でかつ揺り戻しなしで収まる本当にベストなセッティング。もう下り坂でこわごわ切り込むことはないし、アンダーを出さないようにフェイントかける必要もない。

強いて言うならば、右よりも左コーナーの方が、やや頭の回り込みが甘い感じがするのだけれど、おそらくこれはアライメントのずれの範囲だから、これは次のステップか。

というわけで、足回りのセッティングは週末二日間をかけ、碓氷峠をのべ10往復近く費やして完了。来週末、時間と天気に恵まれたらベストセッティングになった5号機で再び峠道を下りてみたいと思う。

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コメント

FLYINGKOALAさん、コメントありがとうございます。

Z8は見た目や雑誌のインプレッションで言われてるよりずっとスパルタンなクルマなんですよね。あの馬力でZ4とホイールベースがほぼ同じなのでDSCを外せばテールスライドをコントロールしつつ切れ味するどい走りができて、碓氷旧道ぐらいの狭い道でも十分楽しめます(笑)

かたやアルピナロードスターV8は、そのじゃじゃ馬に上等な鞍をのせた走り味でした。よくできた足回りのロードホールディングは抜群でしなやかに走れます。

フレイザーは、エリーゼとかのライトウエイトスポーツというよりミッション付きカートかフォーミュラーの印象を持ってます。一般道を走るための最低限の足回りと装備って感じですか(笑)

とにかくダイレクトなので、いろんな意味で練習機です。クルマのセッティングを出す練習、マシンコントロールの反応速度の練習。スライドコントロールの練習。50近くになって乗ってるので、なかなか上達できませんけど楽しいです。

昨日も、3.5往復しちゃいました(笑)

そちらの様子も後ほど公開する予定です。

投稿: ta_tsu | 2009年4月 5日 (日曜日) 09:21

BMWのZ8でぐぐって居て、ここへ到着いたしまして、お邪魔させてもらいました。蛇足ですが私もA4アヴァント3.2で同じATSのホイール使っていましたw

ここんとこ、重い車ばかり乗ってきたのですが、やはり軽い車は小さな動画でもわかるくらい軽快で楽しそうですね。ハイパワーFRのMTでアルピナを、と思っていたのですが中古のオペル・スピードスターも捨てがたいな、と動画を見て迷い始めました。

またお邪魔しに来ます。

投稿: flyingkoala | 2009年4月 4日 (土曜日) 23:26

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