【インプレッション】待望のゴルフ6カブリオレに乗り、その良さに納得する。

某日、３ヶ月前にVWJのサイトに申し込んでいたゴルフ６カブリオレのテストドライブについてメールがあり、高崎のVW群馬中央から試乗車の準備ができたとのことで、早起きしてい出かけた。

そもそもゴルフ6自体に試乗するのが初めてで、この新しいゴルフフェイスをじっくり見るのも初めてだったのだけれど、個人的には精悍で好感が持てる。EOSの散漫で中途半端なシルエットから比べると、従来のゴルフカブリオレらしいコンパクト感とスマートさが戻ったと思う。

ただ、ゴルフ１に回帰したという能書きについては同意できない。あのジウジャーロのスクエアですっきりとしたデザインマナーには遠い。Audi時代から感じていることだけれど、僕にはデシウバのデザインセンスはとことん響かないらしい(笑)。

乗り込んでの第一印象としてはVWらしい質実剛健さを感じつつ、コンパクトにまとめられ深めのフードに覆われたメーターと小さくて太めのステアリングのスポーティさが意外だった。残念なのは、ステアリングセンターやダッシュボード、ドアトリムに張られたクロスのシボの荒さ。今時軽自動車でもこんなに荒くないんじゃないかと思わせるほどおおざっぱなシボだった(笑)

後席は、今乗ってるA4カブリオレに比べて背もたれの立ちの強さと肩口の狭さは若干感じるけれどヘッドクリアランスも十分にあって窮屈さは感じず、むしろA1より十分に４人乗車のキャパシティがあると感じた。

助手席に営業スタッフを同乗させて、ディーラーの周りの試乗へ。高速道路の試乗を希望したのだけれど、規則でできないとのこと。なんだかなーって思いつつ、市内の決められたコースを走る。片側さん車線の広い道で、Sモードで引っ張ってみるが、走り出しがちょっとモタついた。エンジン始動後まもないことや、オドメーターが400ｋｍという短い距離だったからかもしれない。実際、試乗後半で再度全力加速を試みたときには、スルスルと1.4T本来のトルク感で飛び出した。

走ってみての印象は非の打ち所がない優等生な走り。ステアリングインフォメーションも必要十分にありスロットルレスポンスも同様。足回りも固すぎず、柔らかすぎず。ブレーキも初期制動はちょっと効き過ぎ感があったけど、１分も走れば慣れた。とにかく走っていて不愉快に感じる部分はまったくない。

で、一番感動したのは、トップの開閉速度。メディアのレポートでも速いって書かれていたけれど、ダントツの速さ。２座のボクスターやTTロードスター（８J）と比べても全く遜色無い。走行中の開け閉めも可能でいやはや言うことなし。

開けたときの巻き込みも、ディフレクター無しでも50ｋｍぐらいまでは問題ないし、閉めたときの遮音性も十分。新しいというのは本当に良いことだなーと感心。

試乗から戻ってきて、トランクルームをみる。

開口部はトップの格納部分が後ろまでのびててトランクリッドが短いので、上側がなくほぼ水平で狭い。しかし奥行きは十分にあり、かつ左右二分割の可倒式のリアシートの中央部分を貫くトランクスルーがあるので、実用性は十分に高いと感じた。

でも一点不満点もある。それは以下のトップを開けたときにステーが露出のままになってしまう部分。このスペースは開けて走ってると結構、落ち葉とか虫とかを吸い込んでしまいそう。で、トップを閉めたときにここが室内になってしまうのは厳しい。

ちなみに、下段の画像はTTロードスター。これもほぼ同じ開閉機能を使っているが、問題の部分には、ステーを画す蓋がついており、異物やホコリが入らないようにカバーされていた。おそらくコストダウンのために割愛したのだろうけど、ここはオプション設定でもいいので改善してほしいと思う。

さて、１時間弱の試乗を終えてみての率直な感想は、ゴルフ６カブリオレは非常に良くできたゴルフだというのは間違いない。あらを探して不満点をみつけるとしても、前述のダストカバーと、ダッシュボードやステアリングなどインテリアに張られたクロスのシボの荒さぐらいしかない。

でも、一目惚れして、すぐにでも手に入れたい、欲しいって思わせるほどの求心力は自分には感じられず、これなら買ってもいいかもしれないって気分までだった。

その辺りが、いかにもゴルフらしいのかもしれない。